A. LANGE & SÖHNE ZEITWERK HONEYGOLD “Lumen”
ユニークの相乗効果
November 2021
ランゲハウスへようこそ
歴史的建造物として名高い『旧山口萬吉邸』を貸し切り、1日限りの“ランゲハウス”とした特別なイベントが開催された。
洋館の地下の一室で幻想的に展示されたのは、前頁で紹介した新作「ツァイトヴェルク・ハニーゴールド “ルーメン”」。イベント参加者はA.ランゲ&ゾーネの独自素材であるハニーゴールドケースと、暗がりで発光する“ルーメン”を目の当たりにした。
九段下といえば、日本武道館や千鳥ヶ淵、靖國神社などのランドマークが集まる東京のど真ん中。そこにひっそりと趣を放つ洋館がある。90年以上も前に実業家・山口萬吉の私邸として建てられた建造物は空襲の災禍を逃れ、現在は会員制ビジネスイノベーション拠点「kudan house」として当時の姿を今に遺す。
2021年11月初旬。本当に大切なものは何かを見つめ直す機会が増えた今、A.ランゲ&ゾーネはこの荘厳な空間を使い、手にした人の人生を豊かに彩り、次世代まで時を刻み続けるタイムピースの世界観を存分に表現した。その名も「Lange Haus」。メディア関係者と30組の特別な顧客のみに限られたイベントである。
ハイライトは、この日のために国内外から集められたハイコンプリケーションウォッチ。トゥールビヨンやミニッツリピーター、永久カレンダー、またそれらを複数組み合わせたもので、価格でいうと1000万円を軽く超えるような(そして上を見ればキリがない)、“超”高級時計である。芸術品のようなレアピースが、28モデルも集結したのだ。
同社は世界最高峰の複雑時計を生み出すことで知られるが、これだけの数が一堂に集まることは異例である。また、もうひとつの目玉として新作「ツァイトヴェルク・ハニーゴールド “ルーメン”」が初披露され、合わせて「ツァイトヴェルク」と、過去の「“ルーメン”」エディションも展示。人気コレクションの歩みを振り返った。
歴史を今に遺す空間に粋が詰め込まれた特別な“家”。ランゲの創造性が紡ぎ出す優雅な時間に、誰もが魅了された。
同社の中でも特に複雑で独創的な機構を持つレアピースが集結。1845年に創業しドイツ・ザクセン州の時計産業の基盤を築いたA.ランゲ&ゾーネの伝統とクラフツマンシップが、築90年以上の歴史的建造物が醸し出す重厚感と共鳴した。本社公認時計師・森山治彦氏による実演・解説も行われ、愛好家たちを惹きつけた。