A. LANGE & SÖHNE ZEITWERK HONEYGOLD “Lumen”
ユニークの相乗効果
November 2021
ツァイトヴェルク・ハニーゴールド“ルーメン”瞬転数字式に時刻をデジタル表示する「ツァイトヴェルク」に、ランゲが専用使用権を持つ「ハニーゴールド」素材を採用し、なおかつ「“ルーメン”」エディションとした限定モデル。新キャリバーを搭載し、4時位置には時表示を進めるプッシュボタンを追加。ハニーゴールドにマッチするダークブラウンのストラップも美しい。世界限定200本。ブティック限定取扱い。手巻き、18Kハニーゴールドケース、41.9mm。¥15,004,000 A. Lange & Söhne(A.ランゲ&ゾーネ Tel.03-4461-8080)
ドイツ時計の雄、A.ランゲ&ゾーネは、スイス時計に伍する技術力と審美性でその名を轟かせるが、決してトレンドに左右されることなく、一貫して“独創性”に重きを置く希有なブランドでもある。
新作「ツァイトヴェルク・ハニーゴールド “ルーメン”」は、モデル名が示す通り、3つの独創性が合わさっている。ひとつ目は、ベースとなったコレクション「ツァイトヴェルク」。デジタル表示を特徴とするが、時と分を示す3つの大きなディスクの瞬転には綿密なエネルギーマネジメントが必要であり、その画期的な機構にこそ同社の技術力が垣間見える。
ふたつ目は、ケースに採用された独自素材「ハニーゴールド」。特殊配合の18Kゴールド合金は高硬度であり、温もりを感じさせる淡いカラーリングで、他にありそうでなかった優美な雰囲気を醸し出す。
そして3つ目が、暗がりで数字が発光する「“ルーメン”」。半透明のダイヤルに施された透光性コーティングにより、紫外線のみが透過し、表示されていない数字も蓄光する。そのためジャンピングで時分表示が変わっても、すぐに発光されるという仕組みだ。ランゲは2010年以降、さまざまなコレクションから「“ルーメン”」エディションを発表しているが、いずれもかなりの人気を博している。
3つとも非常にユニークだが、掛け合わせることにより魅力は3倍ではなく、何十倍にも膨れ上がる。その相乗効果こそが新しい価値を生み出すのだ。
上左:2時位置に時分表示の調整や巻き上げをするリュウズが備わる。ケースのハニーゴールドは淡くやわらかな色合い。ぜひ実機を手に取ってみてほしい。上右:暗がりで光る様子。半透明のダイヤルの下でも数字が仄かに光っており、蓄光されているのがわかる。12時位置はパワーリザーブ表示。下右:シースルーバックから観賞できるムーブメントは、新しい自社製キャリバーの「L043.9」。改良前に比べて約2倍となる72時間のパワーリザーブを実現。下左:時分表示は瞬転直後も発光して読み取れる。
本記事は2021年11月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 43