Tuesday, November 8th, 2016

LEGENDARY SCOTCH WHISKIES
幻のウイスキーを訪ねる旅

ラグジュアリーでクールなスピリッツとして、今、世界中でウイスキー熱がヒートアップしている。
特に注目が集まっているのは、風土や造り手のこだわりで大きな個性が生まれるシングルモルトだろう。
幻と呼ばれるシングルモルトとその原点を探して、スコットランドの蒸留所を訪ねた。
text yuka hasegawa photography kumi saito
Issue07_P172_01

ウイスキー・コレクターや投資家の垂涎の的である「マッカランM」シリーズ用の樽も貯蔵庫で熟成中。2014年サザビーズ香港において、「ザ・マッカラン・インペリアル M」が、シングルモルト史上最高額の62万8205USドル(約7千5百万円)で落札された。

MACALLAN, Speyside
ザ・マッカランが愛される理由
 
シングルモルトの王道と称され、世界中のウイスキー・ファンからの称賛をほしいままに集めているザ・マッカラン。その理由を探るべく、スペイサイドに足を延ばした。

 スコットランド北部ハイランド、清澄なスペイ川流域に広がるスペイサイドには、50以上の蒸留所が密集し、スコッチウイスキーの聖地と言われている。「Whisky Trail(ウイスキー街道)」の標識を横目に車を走らせると、150ヘクタール(約1.5㎢)の広大な敷地を擁する「マッカラン・エステート」に辿り着く。ここで同社のウイスキーの原料となるミンストレル大麦が自家生産されているという。
「最高級の原酒を蒸留するために、自社で管理した原料を使用しています。蒸留においても、“ファイネストカット”と呼ばれる蒸留の中間に抽出される部分のみを使用。これは全蒸溜液のわずか16%、長い熟成には原酒の絶対的な質が必要不可欠なのです」と話すのは、ツアーガイドのジョディーさん。また、「マッカランが最もリスペクトしているのは、熟成に使う樽で、その品質を徹底管理しています。当社が所有するスペインの森林で伐採されたオークを樽にして、シェリーメーカーに貸し出し、シェリーが熟成した後の樽を熟成に使用します」。マッカランには、ウイスキーの製造責任者と同様に、樽管理責任者という役職があるそうだ。
 ツアーの最後に、貯蔵庫に静かに眠る65年物の樽を見せてもらった。こんな貴重な原酒はいつリリースされるのかと聞くと、「それを判断するのは、『ウイスキーメーカー』と呼ばれるスペシャリスト。毎日原酒のサンプルをチェックし、来るべき日に備えている」。世界のマッカラン愛好家を鼓舞させる、新たな至高の銘酒の誕生はいつになるのか。ファンにとって、またひとつ、楽しみができたようだ。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 07
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