November 2016

LEGENDARY SCOTCH WHISKIES

幻のウイスキーを訪ねる旅

text yuka hasegawa photography kumi saito
Issue07_P182_01

左から:ポート・エレン1982 30年 ハンターレイン、オールド&レア シングル・カスク。£60(25ml、以下同)/ポート・エレン1982 ダグラスレイン オールド・パティキュラー、31年。£50。/ポート・エレン1982 27年ゴードン&マクファイル コニサーズ・チョイス。£50。

PORT CHARLOTTE HOTEL, Islay
アイラ島で幻の銘酒、ポート・エレンを試す
昨今のレア・ウイスキー市場において、コレクターの垂涎の的であるポート・エレン。
その故郷アイラ島で、ポート・エレンが楽しめる店を紹介する。

 今年の8月、オークションハウス、ボナムズ香港で、日本のウイスキー「軽井沢1960 52年」が91万8750香港ドル(約1478万円)の高値で落札された。軽井沢蒸留所は1955年に長野県で創業、2011年に閉鎖された。現在は現存する樽をボトリングしたものが市場に出回るが、クオリティーの高さと希少価値から、「軽井沢」は今世界で最も入手困難な最高峰のウイスキーとしてその地位を確立している。

 英国において、「軽井沢」に相当するのが「ポート・エレン」だ。1825年にアイラ島の南端、ポート・エレンで操業を開始し、1983年ファンに惜しまれつつも閉鎖に。現在は、「ゴードン&マクファイル」などのボトラーズがリリースしたものが市場に出回っており人気を博している。また、英国の大手酒造メーカー「ディアジオ」が年に一度ボトリングし、全世界向けに限定発売を行うシリーズはコレクターが切望する1本だ。

 その希少性から、「ポート・エレン」を抱えるウイスキー・バーはそう多くはないが、アイラ島の西部にあるポート・シャルロット・ホテルのガストロ・パブでは、ボトラーズものの「ポート・エレン」3種類をオンリスト。蒸留所が華やかなりし頃に想いを馳せながら、アイラ島で「ポート・エレン」のグラスを傾けるのも悪くないだろう。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 07
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