McLaren×F1 Experience Hot Laps

F1ドライバーの隣に乗る
「HotLaps」 体験を通じて得た
「McLaren Experience」

Wednesday, December 5th, 2018

若武者ノリスを魅了する720Sの比類なきパフォーマンス

 

 いよいよ「720S」のシートに座る瞬間がやってきた。F1グランプリの決勝を間近に控えたメインコースに、美しい流線形の車体がよく映える。ステアリングを握るのはマクラーレンF1チームでリザーブドライバーを務めるランド・ノリス。2019年シーズンからのフル参戦が決定している18歳の才能あふれる若武者だ。

 

 

 

 スタッフの誘導に従い、「720S」のパッセンジャーズシートに潜り込む。ヘルメットを装着した状態で地を這うようなスタンスのスーパーカーに乗り込むというのは、通常であれば楽なことではない。しかしこの時、スムーズに乗り込むことができたのは、私の身体が柔軟だからではなく、マクラーレンのアイコンでもある羽ばたくように開くディヘドラルドアのおかげ。

 

 ハーネスが取り付けられると、ランド・ノリスがこちらを向いて「速いほうがいい?」と尋ねてきた。もちろん…とこちらが答えるや否や、身体がシートバックに押さえつけられた。そこから第3コーナーまでの記憶は、悔しいことにあやふやだ。驚異的なスタートダッシュを見せた「720S」はリズミカルにセクター1を駆け抜ける。

 

 ようやく冷静さを取り戻すことに成功した私の様子を見て、ランド・ノリスはさらにペースを上げてきた。ダンロップコーナーから弾けるように加速。続いては、ゆるやかなカーブとほぼ直角のふたつのコーナーが複合するデグナー。ここはテクニカルなコースとして知られる鈴鹿のなかでも難所と言われている難易度の高いコーナーだが、ランド・ノリス駆る「720S」は何事もなかったかのようにクリアしてしまった。その頃からあることに気が付く。レーシングスピードで走っているのに、望外に乗り心地がいいのだ。

 

 縁石を大胆にカットしても、テールスライドが起きてドライバーが素早く修正舵をあてるその瞬間でも、つねに私の目線と身体は安定していて、周囲の状況を楽しむことすらできた。これはつまり車体が跳ねることなくタイヤが路面とのコンタクトを失っていないことの証明だ。最新のF1マシンはその空力パッケージにより、スピードを出している限りトンネルの天井すら走れると言われているが、この「720S」も、目には見えない空気の力によって路面へとしっかりと押さえつけられているのだろう。

 

 

 

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