A FAMIGLIA STORY
ファミリーだから作れるシャツ
August 2020
コルドネ 1956が展開するカラーのバリエーション。このブランドの強みは、さまざまな顧客のリクエストに合わせた製品を作れるところ。すべてハンドメイドだからこそ可能となるのだ。
ファミリーこそ“核”
1956年に祖父とその妹ヴァージニアが一緒に設立した会社を現在経営している、ルイージ・コルドネ・ジュニアは、ファミリーこそイタリアのファッション文化における核だと信じている。
「ファミリー企業であることは、この種の仕事には非常に重要であると信じています。そこでは、さまざまな役割を作り出す必要があります。最も重要なのは、お客様のために独自の製品をクリエイトすることです」と彼は語る。
「私たちの会社のグループのアイデンティティはシンプルなものです。私は従業員に彼らの家族の大切さについて頻繁に話します。実際、私たちとともに働く人は、単に製品を生産するためだけに働くのではなく、ポジティブさと幸福をシェアし、すべての人にとって良い環境を作らねばなりません」
バティスタ・ジョルジーニが生んだ戦後のイタリアのシーンは、映画『ローマの休日』(1953年)でグレゴリー・ペックが演じたジョー・ブラドリーと、映画『甘い生活』(1960年)でマルチェロ・マストロヤンニが演じたマルチェロ・ルビーニによって、銀幕の中で不滅となった。ルイージはこれがイタリアのファッションを決定づける、もうひとつの要素であると感じている。
「ラ・ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)の時代、それは裕福な人々にとってファッションが非常に重要となった時代でした。私の父は常に私の祖父、会社の創設者について話してくれました。上着と帽子なしでは決して外出せず、小さかった父を常に伴って地元のテーラーに通っていたそうです。それから長い時が経ち、すべてが変わりました。それに伴って、コルドネ1956のスタイルも発達してきました。コンセプトとしての“メイド・イン・イタリー”が今日でもユニークであるのは、それを生産する人々がユニークであるためです。私たちイタリア人は、洋服の生産について豊かな歴史を持っています。それはスタイルのクリエイションにも影響してきました。イタリア以外にもトップレベルで品質の高い企業がありますが、人々はそのバックグラウンドを忘れません」