5 WAYS TO WEAR A DENIM SHIRT

デニムシャツを着こなす5つの方法

May 2022

ソフトなブルーからダークなインディゴまで……。

デニムシャツは着心地がよく、長く愛用でき、どんなコーディネイトにも使える素晴らしいアイテムだ。その着こなし方を伝授する。

 

 

by ANNA PRENDERGAST

 

 

カジュアルな半袖のデニムシャツを着たスティーブ・マックイーン(1970年)。

 

 

 デニムシャツは、ジーンズと同様にさまざまなアイテムと相性がいいため、誰にでも簡単に着こなすことができる。とはいえ、いくつかのルールがあるのも事実だ。ここでは、ベストドレッサーたちの写真を参考にしつつ、その着こなしについて考えてみよう。

 

 映画『ブロークバック・マウンテン』(2005年)の無骨な牧場主から、ジェームズ・ボンドのイブニングウェアの創造的解釈まで、コーディネイトの幅は驚くほど広い。デニムシャツがワードローブのマストアイテムであることを、きっと理解していただけるだろう。

 

 

 

1.フォーマル

『007 ドクター・ノオ』(1962年)において黒のショールカラーを着るショーン・コネリーに、イタリア・ボローニャのメーカー、マロルの名作“アステア”シャツを合わせてみた(合成)。

 

 

 ジェームズ・ボンドは実際にはスタッズ付きのデニムシャツを着ていなかったが(この写真は合成である)、マロルのカルロ・リーヴァ製の生地を使った“アステア”シャツは、とてもクールだ。

 

 デニムは、フォーマルな場面でもますます受け入れられるようになってきたが、それは何をどう着てもいいということではない。ブラック・タイ指定のフォーマルの場では、インナーに取り入れるに留めよう。プリーツ付きでスタッズが付けられる昔ながらのデザインとすることで、カジュアル度が抑えられ、遊びとしてぎりぎりの範囲を楽しむことができる。

 

 

 

2.ダブルデニム

フラップポケット付きのウエスタンスタイルのデニムシャツとウォッシュド・デニムジーンズを着用したジャンニ・アニェッリ(1970年代頃)。

 

 

 “カナディアン・タキシード”として知られているにもかかわらず、ダブルデニムほどカジュアルな装いはない。あなたがジャンニ・アニェッリのような大金持ちのセレブでなくても、うまく着こなすことができるだろう。

 

 アニェッリは、微妙に異なる質感のデニムを身につけている。そしてやはり、腕時計を袖の上につけるという有名な着こなしを披露している。さらにスタッズベルトやレーシングゴーグルなど、スポーティな小道具を合わせている。

 

 

 

3.テーラリング

映画『コンドル』のロバート・レッドフォード(1975年)。

 

 

『コンドル』におけるロバート・レッドフォードの有名なルックは、襟を立てた重厚なブラックのピーコートと大きなメガネ、そして存在感のあるダイバーズウォッチ(正確にはドクサの Sub 300T Sharkhunter)だ。

 

 知的なCIAオフィサー役のレッドフォードは、ゴールドフレームのメガネとグレイのヘリンボーン・ツイードジャケットで、アカデミックなスタイルに仕上げている。ダークカラーのニットとニュートラルカラーのスカーフが、下から覗くデニムシャツの存在感を際立たせる。テーラード・ジャケットの下にデニムシャツを重ね、ネクタイを締めるのは、洒落者が覚えておきたいテクニックである。

 

 

 

4.テクスチャー


映画『ブロークバック・マウンテン』のジェイク・ギレンホール(2005年)。

 

 

 もともと労働者や牧場の人たちに愛用されていたデニムは、ある種のラギッドな男らしさを醸し出すことができる。

 

 映画『ブロークバック・マウンテン』のジェイク・ギレンホールは、丈夫なインディゴ地にコントラストステッチを施した、ヴィンテージ感のあるデニムシャツを着ている。その質感は、ムートンやウール、フランネルといった素材とも実に相性がいい。

 

 

5.レイヤリング

ラルフ・ローレン。2006年、ニューヨークでのショーにて。

 

 

 ラルフ・ローレンは、デニムシャツが相当に好きなのだろう。ファッションショーのフィナーレでは、しょっちゅうデニムシャツを着て登場する。クラシックなバスクシャツや白のTシャツの上に、ボタンを留めずに着ることが多い。時代を超えたカジュアルでエレガントなスタイルだ。

 

 THE RAKEのスタッフは、老若男女問わず、何度このルックスを真似たことかわからない。デニムとストライプの相性は、いつも抜群なのである。胸ポケットに刺されているアビエーターサングラスも実にクールだ。