‘WHEN SOMEONE LOOKS AT A PORTRAIT, I WANT THEM TO FEEL ENGAGED-LIKE THEY’RE IN A CONVERSATION’
チャールズ新国王戴冠式のカメラマン秘話
November 2023
text tom chamberlin
special thanks to mark’s club
photography kim lang
Hugo Burnand / ヒューゴ・バーナンドチャールズ皇太子からロイヤル・ワラントを授与された唯一の写真家。フランスのカンヌ出身。カメラマンである母親から写真を学んだ。1993年以来、コンデナスト社とタトラー誌を中心に活躍。エリザベス女王、ビル・クリントン、ミハイル・ゴルバチョフ大統領、マイケル・ジャクソンなどを撮影。2005年にはチャールズ皇太子とカミラ妃の結婚式、2011年にはウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式を担当した。2023年5月、チャールズ3世国王の戴冠式を撮影した。
国王と女王とは、かなり長いお付き合いになります。カミラ・パーカー・ボウルズの撮影は、チャールズと結婚する5年前、2000年から始まりました。その後、彼女から結婚式の撮影を依頼されました。私が結婚式で撮った写真をチャールズが非常に気に入り、彼の撮影も依頼されるようになりました。
また、息子たちの写真を撮ってほしいとも頼まれました。ウィリアムが結婚したときに、撮影を担当したのも私でした。一朝一夕で撮影できるようになったわけではなく、少しずつ関係を深めていった感じですね。
私が撮った写真を見る方には、写っている人と会話をしているような気分になってもらいたい。写真家として、ライン、袖口、スーツ、光など、なんでもよいのですが、その写真にエモーションを込めたいと思っているのです。私がうまくエモーションを捉えることができたなら、見る方も、そのエモーションを感じ取ることができるでしょう。
撮影の方法は、状況によって変わります。重要なのは、大きなイベントの際も、普段と同じように接することです。そうしないと国王をはじめ、多くのものが変わってしまうからです。私が彼の知っている人間でなくなっていたら、彼のエモーションを撮ることができなくなってしまいます。国王は、「あれは誰だ、私はヒューゴに撮影を依頼したのに」と感じるでしょうから。
ヒューゴと彼のスタッフたち。交通渋滞を避けるため、ロンドン市内の移動は折りたたみ自転車を使って行われた。