TUDOR BLUE

チューダーで選ぶべきは“ブルー”

December 2020

text tetsuo shinoda photography jun udagawa

1970年代のフランス海軍へ納入していたダイバーズウォッチも、「チューダー ブルー」の原点。海軍には時計本体のみを納品しており、ストラップは隊員たちが自分で選んだファブリックストラップをつけていたそうだ。現代のチューダーにおいて、ブレスレットやストラップの選択肢が広いのは、こういった歴史的背景もあるからなのだ。

 そんな海への深い愛を持つフランス海軍が、1970年代半ばに採用したのが、“ブルーダイヤル”だった。それまでは、ダイバーズウォッチの視認性を考えてブラックダイヤルを選ぶのがセオリーだったが、フランス海軍は愛する“海の色”を選んだ。そしてそれ以来、ブルーはチューダーにとって欠くことのできない色となったのだ。

 近年、時計業界ではカラーダイヤルが人気を集めており、特にメンズファッションと相性の良いブルー系のカラーは、もはや定番化されたといってもいいほど、多くのメーカーから発売されている。しかしチューダーのブルーは、そういったトレンドとは一線を画す。歴史から生まれた意味のある色であり、腕元に華を添えるだけでなく、プロフェッショナルにも愛されてきたチューダーの歴史と伝統そのものが表現されているのだ。

 しかもチューダーのブルーは、1色ではない。コレクションごとにダイヤルの素材や仕上げが異なるため、好みのブルーを選べるという楽しさがある。さらに、同系色のファブリックストラップやレザーストラップと組み合わせれば、より深く“チューダー ブルー”の世界を楽しめるのもまた魅力なのである。

本記事は2020年11月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 37

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