伝説のおしどり夫婦、ポール・ニューマンとジョアン・ウッドワード

Paul Newman & Joanne Woodward
ポール・ニューマンとジョアン・ウッドワードポール・ニューマン（1925～2008年）は、オハイオ州出身の俳優。3度のアカデミー賞受賞をはじめ多くの受賞歴を持つ。ジョアン・ウッドワード（1930年～）は、ジョージア州出身の女優。『イブの三つの顔』（1957年）でアカデミー主演女優賞を受賞。ふたりは1958年に結婚し、2008年にポールが死去するまで結婚生活を続けた。2022年には、ふたりについてのドキュメンタリー映画が公開された。

　俳優ポール・ニューマンとジョアン・ウッドワードのラブストーリーは、ハリウッド映画界でも異彩を放っている。ふたりの結婚生活は、1958年に始まり、2008年9月にポールが亡くなるまで50年間も続いた。仕事の上でのパートナーでもあり、16本の映画をともに製作した（その多くはポールが監督した）。2022年には、ふたりについての6部構成のドキュメンタリー『THE LAST MOVIE STARS -ポールとジョアン 名優夫婦の映画のような人生-』が公開された。

　監督はイーサン・ホーク、製作総指揮はマーティン・スコセッシ、ポール・ニューマンの声はジョージ・クルーニーが務めた。このドラマはポールとジョアンの複雑な関係にスポットを当てた。

　脚本家のスチュワート・スターンは、ポールの自叙伝制作のため、著名な監督から身近な家族にわたる重要な関係者100人以上にインタビューを行っていた。これらのインタビューは、ポールの死後の回顧録『The Extraordinary Life of an Ordinary Man』（2022年）のベースにもなっている。ふたりは理想の夫婦として、しばしば神聖視されてきた。しかし、このドキュメンタリーは、人間としての彼らを掘り下げ、新たな深みと弱さを明らかにしている。

　1925年1月26日、ポール・レナード・ニューマンは、オハイオ州シェーカーハイツに生まれた。父はユダヤ人、母はローマン・カトリックであった。ふたりは共同でスポーツショップを営んでいた。ポールは父親を「弦がたくさん切れた、とても高価なバイオリン」と表現した。

　オハイオ大学で短期間学んだ後、第二次世界大戦が勃発し、ポールはアメリカ海軍に入隊した。1945年、沖縄戦に参加し、九死に一生を得た。彼が乗り込む予定だった空母バンカー・ヒルは、零戦の神風攻撃によって大破した。しかしその直前、彼が無線技士・後部銃座手としてタッグを組んでいたパイロットが耳痛を訴え、地上勤務となっていたのだ。これは彼の人生を彩ることになる“ポールズ・ラック”の初期の一例である。

　1949年、彼は女優志望のジャッキー・ウィッテ（彼女との間に3人の子供が生まれる）と結婚し、2年後にニューヨークに移り、有名なアクターズ・スタジオでリー・ストラスバーグに師事した。