Tuesday, March 16th, 2021
SHOULDER TO SHOULDER
従兄弟で生むエレガンス
変わり行く老舗“チフォネリ”

パリのマルブフ通りにあるアトリエで、テーラーリングにおける大胆さを象徴する服を身に着けた、ロレンツォ・チフォネリ、マッシモ・チフォネリ両氏。後ろにはビスポーク客に提供される生地が並ぶ。
「テーラーリング界は本当に変わりました。ですから私たちのような職人は、伝統的な形状に新たなビジョンをもたらさなくてはなりません。自分たちのルーツを重視していることは言うまでもありませんが、私たちは決して立ち止まりません。代表的なショルダーやハウスならではのカットは守っていても、チフォネリのスタイルは常に進化しています。今なお50年前と同じスーツを仕立てていることを誇りに思うテーラーも多いですが、私たちは昨日と同じスーツを今日も仕立てたいとは思いません」
チフォネリの店はレパートリーが広い。プリーツを施したハンティング・ジャケット“カナディエンヌ”、スエードでトリミングしたパッチポケット付きドレスコート“ヴィンテージ”、コントラストの効いたポケットを備えた、ベージュ色のリネン製ジャケット“ロレンツォ”、チベットのヤクの毛を使ったトラベル・ジャケット、さらにはTHE RAKEのウェブサイトで購入可能な多数の製品(リネンを使ったテバ・ジャケットやダブル・ジャケット、大胆なウインドウペーンのシングル・ジャケット等)といった品々を提供してきた。
ロレンツォ氏は、ハウスの長寿は祖父のおかげだという。
「アルトゥーロがグローバルな発展に着手したのです。彼は当時としては進歩的な探究者で、私たちはその点を日々思い起こすよう心がけています。祖父が工房で働く姿を初めて見たときから、私たちふたりにはテーラーになりたいという明確な意志がありました。私たちにとって、祖父は常に成功のお手本でした。未来のことを考えるには、まず人々の暮らしを理解し、現代のクチュールのあり方を考える必要があります。私たちは常にテーラーリングを変革する方法を模索し、斬新なカットや生地を用いた新たな型を考案しています。ヤクの毛を使った“キリアン”ジャケットや、日本製ジャージー生地を使った“シンクレア”ジャケットなどですね。私たちのスタイルは常に進化しており、現在の世界によって変化するもの。チフォネリの名が何十年も生き続けるようにすることは、私たちの誇りにかかわる問題なのです」
Contents
Sunday, April 18th, 2021
Saturday, April 17th, 2021
Friday, April 16th, 2021
Thursday, April 15th, 2021
Wednesday, April 14th, 2021
Tuesday, April 13th, 2021
Monday, April 12th, 2021
Thursday, April 1st, 2021