SEASONAL ADJUSTMENT

ツイードと、フランネルと

September 2018

text christopher modoo
photography neil gavin
fashion direction veronica perez

サヴィル・ロウの老舗をリラックスして着るサヴィル・ロウの老舗が仕立てた茄子紺のフランネル・スーツに、ライラック色のシャツとプリント・タイを合わせて。ブリティッシュなシルエットを、柔らかなカラーで染め上げたスタイルだ。フランネル素材を上手く着こなすには、“リラックス感”がキーワ―ドとなる。肩の力を抜いて、素材と色を楽しもう。

フランネル スーツ Gieves & Hawkes
フランネル シャツ Holland & Holland
シルクタイ Emma Willis
チーフ Brunello Cucinelli
チャッカブーツ Edward Green

カジュアル素材だったフランネル フランネルは、もともと夏用の生地で、クリケット、テニス、サイクリングなどのスポーツの際に使われていた。時代は変わり、現代では秋冬のパンツ素材として人気がある。ウーステッドやサージなどの梳毛素材と違い、フランネルは表面が毛羽立った紡毛素材であり、それがカジュアルなエレガンスを生む理由である。

 代表的なフランネルの色はグレイだ。エクリュ、チャコールなどさまざまな色をミックスして織られる。フランネルのミルとして世界一有名なフォックス ブラザーズの特徴は、やや黄色がかった色調だ。それは“オシッコ色”とも表現される。デザイナー、アラン・フラッサーは、「もし新しいジャケットを買おうか迷ったら、グレイのフラノパンツと合うかどうか考えよ。もし難しそうなら、止めたほうがいい」と書いた。

 優秀なビスポーク・テーラーはフランネルの生地を好む。グレイのプレーンな生地は、ラペルのソフトなロールや肩山のふくらみ、胸のボリューム感など、彼らのカットと縫製テクニックを際立たせてくれるからだ。

 たくさんのデザイナーが、フランネルを好んで使っているが、その白眉はラルフ・ローレンだ。彼のコレクションは、フランネル・スーツのドレスダウンの手本である。カシミアのタートルネックとタバコ・スエードの靴を履けば、超一流のエレガント・カジュアルの完成だ。

STYLING: CHRISTOPHER MODOO
FASHION ASSISTANT: HANNAH ENDERBY
GROOMING: SARAH EXLEY USING GOLDFADEN MD AND PERRICONE MD
MAKE-UP: DAISY HOLUBOWICZ USING LAURA MERCIER
MODELS: MAXIME DAUNAY
LOCATION: JJ MEDIA

THE RAKE JAPAN EDITION issue 24

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