Tuesday, December 2nd, 2014

JEREMY HACKETT

「正しいこと」は彼に聞け

text masatoshi mori, photography ryuji araki, yoshihito sasaguchi, styling mitsunori aoyagi, hair&make-up yoboon

 これまでもここに来る度に、ハケット氏の個人的な空間とさまざまなコレクション、それに彼との英国的なウィットが詰まった知的な会話をできるだけ多く、日本のファッション好きに伝えたいと思った。なぜなら、この人のファッションほど、日本人がお手本にして素晴らしいものはないからだ。

 英国の由緒正しい実用性の高いファッション哲学に、男が最もスマートに見えるシェイプを加え、そこにわかる人だけにわかればいいといった、秘密のようなディテールを組み込む。すると、紳士服の聖地ロンドンで「Mr.Classic」と呼ばれる、優雅でクールな、しかも日本人のお洒落の根本に必ずある精神、“奥ゆかしさ”を称えたハケット氏の出で立ちが完成する。

 彼は大の日本通である。日本のファッション業界人との交流も深い。「日本人だけだよ、僕の密かなディテールにいつも気がついてくれるのは。感性がすごく合うんだ」と語ってまたチャーミングな笑顔を見せる。

 我々とあまり変わらない、身長175センチの中肉中背という体型の持ち主でもある。だからハケット氏のスタイルは、日本人男性でも無理なく真似できる。すると驚くほど洗練される。そしてスマートになる。

 決して表に出しゃばることはないが、非常に手の込んだお洒落。品質にこだわり、個性を大切にする英国の最高峰ともいえるそのセンスに近づくヒントは、やはり自宅のあちこちに隠されていた。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 01
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