November 2022

HOBBITUARY: ANDY SERKIS

人間以外を演じるスペシャリスト:アンディ・サーキス

text scott harper
photography charlie gray
fashion direction grace gilfeather
special thanks to Rosewood London

コート 参考商品 Loro Piana

 リアルさを追求するという意味では、例えばゴラムを演じるために四つん這いの動作を何時間もかけて準備する、といった努力もやはり大切なことだという。

「従来の演技とモーションキャプチャを分けて考えることは決してないよ。演技は演技だからね。衣装を着てメイクをするか、モーションキャプチャスーツを着るのかは問題じゃない。キャラクターを演じ、共演者の目を見て、感動するようなシーンを一緒につくり上げるだけだ」

 サーキスはデジタルの映画製作とその可能性に魅了され、2年前に映画プロデューサーのジョナサン・カヴェンディッシュと共同で「イマジナリウム・プロダクションズ」を設立した。最初のプロジェクトのひとつは、ジョージ・オーウェルの小説『動物農場』の映画化だ。ソ連での共産主義の台頭を寓話的に語ると同時に、スターリン時代後期の恐怖政治を思い起こさせるストーリーで、監督はサーキス自身が務める。この映画はアニメーションとモーションキャプチャのハイブリッドで、演じる俳優全員の顔にモーションキャプチャを使用するらしい。

 サーキスが出演するもうひとつの大きなプロジェクトは、人気ドラマ『刑事ジョン・ルーサー』の映画化である。主人公の刑事ルーサーを演じるイドリス・エルバはもちろん、シンシア・エリヴォらと共演する予定で、今回のインタビューはこの映画のロケのために滞在しているベルギーからオンラインで答えてくれている。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 47
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