July 2022

DESIGNED FOR YOU: 超一流ブランドでオーダーすべき”この逸品”01

BRIONI: 注目の“エスコリアル”で
仕立てる至高のスマートビスポーク

エスコリアル社のエスコリアルウールの生地が、クラシッククロージングファンの間で人気上昇中だ。
名門ブリオーニでも、同ウールがイチオシだという。
text yuko fujita
photography setsuo sugiyama

こちらがエスコリアルウールで仕立てられたスマートビスポークスーツ。原毛の上質感が生み出す、育ちのよさを感じさせるとても品のよい艶感が、ローマンスタイルのアンダーステートメントな仕立てとよくマッチしている。スマートビスポークスーツ¥1,413,500〜(仮縫い込みのオーダー価格)、シャツ¥94,600、タイ¥40,700、チーフ¥24,200 all by Brioni(ブリオーニ クライアントサービス Tel.0120-200-185)

 1945年に創業したローマンスタイルを代表するブリオーニは、59年にアブルッツォ州ペンネに構えた自社工房にて、非常に高い技術をもったサルトたちのハンドメイドによる、世界最高レベルのテーラード製品を生み出している。ブリオーニで働いているサルトたちは昔からラグジュアリーファブリックの仕立てに慣れ親しんでいて、それは彼らの圧倒的な優位点だ。例えばスーパー200’sの生地があったとしよう。個人経営のサルトリアで仕立てると、テロテロの生地に慣れていないこともあり、パッカリングを起こしたりしてきれいにまとめきれないことが多々ある。が、ブリオーニのサルトたちは、それを凄まじく美しく仕立てあげるのだ。これは特殊技能といっていいだろう。

古くからのブリオーニファンはご存じだろうが、かつてはエスコリアルといえばまずブリオーニといえるほどだった。それゆえのスペシャルバンチ。ウェイトは280g/m。無地の発色も上品で美しい。

ブリオーニのエスコリアルはチェック地が充実。コントラストが控えめで品がよい。

 そんなブリオーニのオーダーサービスの核となっているのが、「スマートビスポーク」である。注文主の採寸データをイタリアに送ると、それをもとにして仮縫い用に別の生地で組まれた服が約3週間後に送られてくる。店舗に常駐しているテーラーが仮縫いチェックをし、またイタリアに送り返す。その約10週間後に修正されて仕立てあがった服が納品されるサービスだ。スピーディな納期も手伝って、顧客からは大変好評を得ているという。

 ラインナップされている生地はどれも息を呑むほど極上だが、特にオススメしているのは「エスコリアルウール」。カシミアよりも細いとされる原毛で、ライトウェイトで柔らかくヌメリ感と弾力性があり、耐久性も備えた、いま人気急上昇中のファブリックである。自然で上品な光沢が醸し出す品格も申し分ない。

スマートビスポークの仮縫い用に組まれた服。これでサイズ、着用感、細かなフィッティングをチェックする。

1959年に作られたアブルッツォ州ペンネの工房。70年経った今も、当時と同じように同じ場所で仕立てられている。

エスコリアルとは?13〜15マイクロンの極細でクリームのように柔らかな毛をもったエスコリアル種の羊から採取されるウール。ヌメリ感たっぷりのドレープと弾力性、耐久性が備わった生地を生み出す。生産量はカシミアの1%にも満たないため、希少性も非常に高い。

本記事は2022年7月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 47

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