左:伊勢丹新宿店メンズ館
山浦 勇樹氏 オススメ!
STANDEVEN / Heritage Twist
1885年に創業した英国ヨークシャーの名門。1930年代のアーカイブをもとに、当時の紡績技術、独特の色柄にまでこだわりながらゴワゴワのタッチまでをも今日によみがえらせたハイツイストウールのコレクション。ツウ好みな395g/mのヘビーウェイト生地。
右:日本橋三越本店
鏡 陽介氏 オススメ!
DRAGO / Rugby Flannel
スーパー130’sで295g/mのミディアムウェイトウーステッドフランネル。経糸・緯糸ともにあえて太番手の60番双糸にした綾織物で、ラグビーもできるくらいの強靭さと動きやすさ、というのがペットネームの由来。品のいいクラシックな柄ものが揃う貴重な存在のイタリア生地。
左:スタンドイーヴンのヘリテイジ ツイスト
「老舗マーチャントのスタンドイーヴンから登場したヘリテージツイストは、今季私たちが非常にプッシュしているファブリックです。膨大なアーカイブからインスピレーションを得た色柄や、ドライなタッチが非常に秀逸です」。
スーツ¥360,000 Sartoria Dalcuore / Isetan Shinjuku(伊勢丹新宿店 Tel.03-3352-1111)
右:ドラゴのラグビーフランネル
「フィンテスを買収し、往年の老舗ミル出身の実力派メンバーを迎え入れ、格段によくなった注目ミルです。スーパー130’sをあえての60番手にしつつ、クラシックで上品な柄が揃っているのが魅力の生地です」。スーツ¥160,000(オーダー価格)N.H Sartoria / Nihombashi Mitsukoshi(日本橋三越本店 Tel.03-3241-3311)
左:伊勢丹新宿店メンズ館
山浦 勇樹氏 オススメ!
MARLING & EVANS Fartown
超英国然としたヴィンテージ感に満ちた色柄と、ソフトツイードからインスパイされた、バランスのよい380g/mの生地。
右:日本橋三越本店
鏡 陽介氏 オススメ!
MAGEE / Donegal Tweed
太く硬質な羊の原毛を使用。太さにムラがある紡毛糸がカラフルなネップを生み、独特の表情を備えている。385g/m。
左:マーリン&エヴァンスのファータウン
「どこよりも早くナチュラルサスティナビリティに注目したミルで、無染色のコレクションにも定評があります。ヴィンテージのソフトツイードスーツからインスパイアされたクオリティは、現代的な着心地ながら趣たっぷり」。
スーツ¥255,000 (オーダー価格) Henry Poole / Isetan Shinjuku(伊勢丹新宿店 Tel.03-3352-1111)
右:マギーのドニゴールツイード
「1866年から続くアイルランドのドニゴールツイードの正統な作り手です。何種類もの色で構成されたネップが美しく、自然とベースの色に馴染んでいる、独特の表情が魅力です。あえてスーツで仕立てるのをオススメしたいです」。3ピーススーツ¥312,000 (オーダー価格) Lid Tailor / Isetan Shinjuku(伊勢丹新宿店 Tel.03-3352-1111)
左:伊勢丹新宿店メンズ館
山浦 勇樹氏 オススメ!
BRISBANE MOSS / Cotton Twill
420g/mの後染めコットンツイル。高密度に中番手の糸を高密度に織り上げており、着込むほどにシワ感とアタリが出る。
右:日本橋三越本店
鏡 陽介氏 オススメ!
SCABAL / Zeus
580g/mで、重すぎず軽すぎずのバランスの取れたコートウェイトによるビーバーカシミア。圧倒的な光沢感を誇る。
左:ブリスベン モスのコットンツイル
「コットンのスーチングでは王道を行く英国のブランドで、老舗マーチャントは皆ここから買っています。ただ、日本での流通が少ないこともあって、知名度は低い。長く着ると味わいが増していく、非常にオススメしたい生地です」。スーツ¥200,000(オーダー価格) Hideaki Sato / Nihombashi Mitsukoshi(日本橋三越本店 Tel.03-3241-3311)
右:スキャバルのゼウス
「毛並がゆらゆらしすぎていない点、通常のベーシックカラーではないこのペトロールブルーという色が、ともにビーバーカシミアでは珍しい、バランスのよさと圧倒的な美しさからオススメしたい一品です」。ビスポークコート¥1,635,000(オーダー価格) Mitsukoshi Premium / Nihombashi Mitsukoshi(日本橋三越本店 Tel.03-3241-3311)
THE RAKE の読者は、ビスポークやパーソナルオーダーは百戦錬磨の方が多いと思うが、オーダーを何度も繰り返していくと、知名度のある絶対的な名作もいいが、知られていないけれど素晴らしいクオリティを誇る、玄人好みの生地を追求したくなるものだ。
今日、日本の紳士服オーダーの聖地となった伊勢丹新宿店メンズ館と日本橋三越本店のバイヤーおふたりに、そんな玄人好みの生地を伺った。ふたを開けてみれば、色合いも風合いも生地のデザインも、まさにTHE RAKE のテイストそのものではないか。
どれを選んでも間違いなしの、長く付き合っていける生地ばかりである。
選んだのは生地の仕掛け人のこのおふたり山浦 勇樹 / Yuki Yamaura(左)伊勢丹新宿店メンズ館 クロージングバイヤー
1983年生まれ。2006年に伊勢丹入社。イセタンメンズの巨大なクロージング部門を統括。新宿店メンズ館5階のアルチザンラウンジを日本のオーダースーツの聖地にした仕掛け人。
鏡 陽介 / Yosuke Kagami(右)日本橋三越本店 パーソナルオーダーバイヤー
1979年生まれ。2002年に伊勢丹入社。長らくイセタンメンズのクロージング部門を牽引。昨年、日本橋三越本店に異動し、パーソナルオーダーサロンの大リニューアルを敢行。
本記事は2019年11月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。
THE RAKE JAPAN EDITION issue 31