ART OF CLOTH

いま最注目の生地と仕立て

October 2021

テーラードの世界は大きな変革の中にあり、より“リラックス”と“快適さ”が重要視されるようになってきている。
今、注目すべき生地と仕立てとは?
2021年の秋冬も、新しいトレンドが目白押しだ。
photography jun udagawa
styling akihiro shikata
VITALE BARBERIS CANONICO “Wool Jersey Flannel”
VBCのウールジャージーフランネル

上質感ただよわせるVBC初の
ウールジャージーフランネル
 昨今のライフスタイルの変化の中で、テーラードにおけるキーワードは、着心地と見た目の両面で、確実に“コンフォート”へとシフトしている。そんななか、イタリアの名門ミル、ヴィターレ・バルベリス・カノニコ(VBC)が、ブランド初となるウールジャージーフランネルを発表した。

 VBCのアイコンとなっているオリジナル紡毛糸を非常に目が詰まったジャージー素材に編み上げたこちらの生地は、温かみのあるメルトンルック。生地の安定性も高いので、オーダーの寸法値を守って仕立てられるのが従来のジャージーとは異なるところ。クラシックなテーラードの新たな門戸を開いた格好だ。

Hideaki Sato今までジャージー素材のテーラードはスポーティな顔に振ったものが主だったが、打ち込みのしっかりしたVBCのウールジャージーフランネルは、クラシックな顔にもぴったりはまる。ミラノスタイルの服を仕立てる佐藤英明氏のスーツも、顔はまんまクラシックなミラノ。ただ、トラウザーズはシャーリング仕様も選べ、新しさの塩梅が絶妙である。国内縫製のメイド・トゥ・メジャーで、納期は約5週間。スーツ¥242,000(オーダー価格) Hideaki Sato/ⒶⒷ

Sartoria Ypsilon今までテーラーでクラシックなスーツを仕立てていた人に、従来のスタイルをジャージー素材で提案するのは、非常に新しい試みだ。打ち込みのしっかりしたVBCのウールジャージーフランネルで仕立てることのよさは、素材がもつ柔らかさと膨らみ感、それとウォーム感が、リラックスした雰囲気を生み出すところにある。ミラノとローマで長年サルトリアを営んでいた船橋幸彦氏の仕立ては大変軽やかで、ニットポロとの相性も非常によい。国内縫製のメイド・トゥ・メジャーで、納期は約5週間。スーツ¥209,000(オーダー価格) Sartoria Ypsilon/ⒶⒷ ニットポロ¥36,300 John Smedley(リーミルズ エージェンシー Tel.03-5784-1238)

Shigeaki Naoi特徴的なゴージライン、3パッチのポケット、それにダブルステッチがあしらわれたスポーツテイスト溢れる一着だが、ウールジャージーフランネルの品よいライトベージュの色合いと生地感のよさも手伝って、柔らかなエレガンスが滲み出ている。直井氏の服に限ったことではないが、同生地で仕立てたジャケットとトラウザーズはそれぞれ単品使いできるのもいい。国内縫製のメイド・トゥ・メジャーで、納期は約5週間。スーツ¥209,000(オーダー価格)Shigeaki Naoi/ⒶⒷ タイ¥15,400 Fratelli Luigi/Ⓑ シャツ¥26,400 Bryceland’s×Ascot ChangBryceland’s Co(ブライスランズ Tel.03-6721-0133)

お問い合わせ先
Ⓐ日本橋三越本店 TEL.03-3241-3311(大代表) 
Ⓑ伊勢丹新宿店 TEL.03-3352-1111(大代表)

本記事は2021年9月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 42

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