From Kentaro Matsuo

THE RAKE JAPAN 編集長、松尾健太郎が取材した、ベスト・ドレッサーたちの肖像。”お洒落な男”とは何か、を追求しています!

いい服が着たいので、弁護士になった!?
マイケル・ヘイワースさん

Thursday, November 26th, 2015

マイケル・ヘイワースさん

国際弁護士

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国際弁護士のマイケル・ヘイワースさんのご登場です。“弁護士”と聞いただけで、恐れ多い感じがするのに、さらに“国際”が付いているのですから、きっと大変なエリートなのでしょう。

マイケルさんは、アメリカ人の父親と日本人の母親を持ち、生まれは日本、育ちは南カリフォルニアです。数カ国語に堪能で、世界中を飛び回り、主に外資系クライアントの法務を担当し、東京では広尾の超高級アパートメントに住んでいて、着ている服は全部ス・ミズーラという、まるで絵に描いたようなエグゼクティブです。しかも、ファッション・センスもめちゃくちゃいい。世の中には、こういう人もいるのですね。

 

スーツは、チッチョ。上木規至さんが主宰する、いま東京にあって、最注目のテーラーです。

「チッチョで作るのは、もう3着目です。他にも、フィレンツェのリベラーノ、コルコス、ナポリのルビナッチやピロッティ、アンブロージ、ミラノのティンダロ・デ・ルカ、パリのチフォネリなどで洋服を作っています」

なるほど、すべて“今をときめく”テーラーばかり。ウチのユーコー・フジタが、「用もないのに」寄って行きたがるところです。

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シャツは香港のアスコット・チャン。タイはリベラーノのス・ミズーラ。チーフは、エルメス。彼女からのプレゼント。マイケルさんは以前、香港に住んでいたこともあり、その時THE RAKE JAPANのサイトでも連載をしてくれているジ・アーモリーのマーク・チョウさんと懇意になって、さらにクラシック・ファッションの世界にのめり込んだそうです。このへんの、アジアの“ものすごくお洒落な人たち”は、みんな繋がっているんですよね。

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時計は、ランゲ&ゾーネのランゲ1タイムゾーン。ランゲ1いいですよね。私も、ずっとずっと欲しい時計のひとつです(買えないまま死ぬ可能性大)。これは世界中の時刻がワンタッチでわかるワールドタイム機能が付いていて、まさにマイケルさんのような人のためにあるような1本です。

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シューズは、ジョージ・クレバリー。サイドがエラスティックになっていて、一見レースアップ・シューズなのに、実は紐部分はダミーで、着脱が非常にラクという一足です。クレバリーの代表作とも言われていて、私ももし、クレバリーでオーダーするなら、まずコイツですね(出来ないまま死ぬ可能性大)。

 

このシリーズは、いつも登場人物の勤務先や街角にて撮影することが多いのですが、今回は珍しく、ご本人のご自宅にて取材をさせて頂きました。そこで驚いたのは、洋服のみならず、部屋のインテリアもメチャクチャ格好よかったことです。

「カスティリオーニのアルコが似合う部屋」と言えば、インテリアに詳しい人は、ピンとくるでしょう。広いリビングに置かれたイタリア製のレザーソファと大画面のテレビ、B&Oのオーディオシステムなど、まるでショールームのようです。

 

ワードローブも見せて頂きました。ベッドルームに併設されたウォークイン・クロゼットには、紺やグレイのスーツ類、ブラウン系のジャケット類、白〜ブルー系のシャツが整然と並んでいました。こういうお洒落な人のワードローブを、間近に拝見することは、何よりお洒落の勉強になりますね。ひとつ言えることは、本当にお洒落な人のワードローブは、いつも“地味”だということです。それにしても、こういうプライベートな部分を、気さくに見せてくれるところは、アメリカ育ちの方ならではです。

 

マイケルさんに、弁護士になった理由を問うと、

「私はおしゃべりだったし、なにより弁護士はいい服を着ていたから」とのお答え。さてこれは日本流のマジメな答えなのでしょうか、それとも本場仕込みのアメリカン・ジョークなのでしょうか?