PARMIGIANI FLEURIER
話題騒然のエレガントな
デイリーウォッチ
April 2021
text tetsuo shinoda
photography pak oksun (CUBE)
still photography jun udagawa
styling akihiro shikata
grooming kaori sakihama (TORCH-LINK)
時計「トンダグラフ GT」(詳細は次写真参照)¥5,192,000 Parmigiani Fleurier
サファリジャケット¥836,000、ニット¥88,000 both by Cesare Attolini
サングラス¥38,500 999.9 feelsun
時計ブランドの起源の多くは、時計師の工房が発展するというパターンである。「パルミジャーニ・フルリエ」もまた同様なのだが、創業者である時計師ミシェル・パルミジャーニは、特別な経歴を持っている。時計学校を卒業した彼は、時計の修復師としてキャリアを重ねる。彼が手がけていたのは、ミュージアムピース級の超貴重なアンティーク時計たち。資料もないため、製作の歴史的背景と機構を学び、材料を理解し、パーツを自作しなければならない。そういった地道な作業が、彼を時計師として大きく成長させ、やがて彼は“神の手をもつ時計師”と呼ばれるようになった。
彼は1996年に修復工房を発展させる形で時計ブランド「パルミジャーニ・フルリエ」を立ち上げる。この“フルリエ”とは時計産業の中心地のひとつで、彼の生まれ故郷にある。数々の傑作時計に触れてきた彼が生み出す時計は、伝統的な時計づくりを継承するクラシカルさに、モダンな個性が加えられており、目の肥えた時計愛好家からも高い評価を得てきた。
そんなこのブランドが、新たなスタイルとして昨年スタートさせたのが「トンダ GT」だ。これはラウンドケースの「トンダ」コレクションをベースにデザインを再構築したもので、ケースからブレスレット(もしくはラバーストラップ)へと流れるように一体化させている。いうなれば、ラグジュアリースポーツウォッチの流れに属するモデルであり、優雅で自由でアクティブな毎日を過ごす人々に向けた時計だ。
ここに紹介する「トンダグラフ GT」は、そのクロノグラフバージョンである。ケース素材は2種類で、ローズゴールドモデルには、2016年に開発した自社製一体型クロノグラフムーブメントを搭載。ステンレススチールモデルには、アニュアルカレンダーが組合され、同社の技術力を楽しめる。
スポーティではあるが、ラグの形状や軽やかな針、ローレット加工のベゼルなど、パルミジャーニ・フルリエらしく意匠にエレガンスが備わっているので、カジュアルなジャケットスタイルとも好相性だ。腕元にエレガントなアクセントを加えてくれる、どんな日常にも寄り添う時計に仕上がっている。
トンダグラフ GT
ケースの素材によって搭載ムーブメントは異なるが、どちらもダイヤルを精緻なギヨシェで仕上げ、ビッグデイトを搭載。左はアニュアルカレンダーを組み込んだクロノグラフムーブメントCal.PF043を搭載。世界限定200本。自動巻き、SSケース、42mm。¥2,475,000 右は、COSC認定クロノメーターを取得した高振動クロノグラフムーブメントCal.PF071を搭載するハイエンドモデル。世界限定25本。自動巻き、18KRGケース、42mm。¥5,192,000 Parmigiani Fleurier
パルミジャーニ・フルリエ
TEL.03-5413-5745
THE RAKE JAPAN EDITION issue39