STYLE HEROES: DAVID NIVEN

スタイルヒーローズ:デヴィッド・ニーヴン

June 2020

 

 ニーヴンの最後の数週間、ヒョルディスはスイスの自宅を離れ、夫の世話は看護師に任せ、キャップ=フェラに滞在した。

 

 「ヒョルディスは、何もかも放り出していました」とニーヴンの息子、デヴィッド・ジュニアは述べた。「彼女は、どう考えても、スウェーデン版のナイチンゲールではなかった」

 

 ニーヴンは自らにうぬぼれることは、決してなかった。トークショーで披露した、自虐的なユーモアの根底には、深い不安があった。彼はかつて、俳優ジョン・ハートに言った。

 

 

 

「私は自分の立場が何であるか、正確に知っているよ。私は所詮二流なんだ」

 

 しかし、ケーリー・グラントは、ニーヴンをハリウッドにおける、真の希少な存在と見なしていた。

 

「彼はおかしく、勇敢で、いい奴だった」とグラントは亡くなった友人を思い出して言った。

 

「彼は、得難い存在だったのだ」

 

 

本国版(英語)の記事はこちらから

1 2 3 4 5 6