MERCEDES-BENZ THE NEW E-CLASS

さらなる高みへ達した
メルセデスの王道

September 2020

多彩なバリエーションとハイテク装備

 

多様なボディ・バリエーションに加え、もうひとつ注目したいのは音声認識システムやジェスチャーコントロール、ステアリングアシストなど、メルセデスが世界をリードするハイテク装備の数々だ。

 

2017年に登場したオールテレインは、ベースのステーションワゴンに対して最低地上高を25mm(欧州値)高め逞しいルックスとなったSUVとのクロスオーバー。メルセデスの他のSUVと同様に2本ルーバーのフロントグリルとなる。※写真は欧州仕様車。日本仕様は右ハンドル。

 

 

 

「ハイ、メルセデス!」と呼びかけることで起動する音声認識システムのMBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)をはじめ、最新鋭のデジタライズが満載の新型Eクラスだが、目新しいのはポケモンGOで世間に知れ渡ったAR(拡張現実)をカーナビゲーションに搭載したことだ。乗用車としては日本初となる。

 

 目的地を設定していれば、次に曲がる交差点が近づくと前方のカメラで撮影された映像がディスプレイに映し出され、その映像上の道路に矢印状のアイコン(フィッシュボーンと呼ばれる)が重ね合わされるので、直感的かつ瞬時に進むべき方向がわかる。道路名が同様にAR表示されることもうっかりと道を間違えることを少なくしてくれることだろう。

 

 もうひとつの新機能がジェスチャーコントロールで、カーナビゲーションの手前で行う特定の手の動きに反応する。例えばVサインを出すと、あらかじめお気に入りに記憶させた設定を呼び出せるのだ。こういったインフォテイメントに力を入れ、常に進化させているのはドライバーの負担を減らして運転に集中させることが第一義。それに加えて、MBUXの登場によってクルマが相棒のように感じられるようになってきている。

 

 

メルセデスAMG E53の直列6気筒3.0LターボはISGも搭載し435PSを発生。スタンダードなモデルが搭載するATの9G-TRONICをベースにスポーツ性を高めたAMGスピードシフトTCTと組み合わせられる。さらにE63Sでは612PSものパワーを誇り、ミッションは機構が違うAMGスピードシフトMCTとしてレーシーな走りを実現している。ジェントルなボディをまるでスポーツカーのように走らせる。※写真は欧州仕様車。日本仕様は右ハンドル。

 

 

 先進運転支援システムはもちろん最新世代。アクティブステアリングアシストは、一般的にはLKAS(レーンキープアシスト)と呼ばれすっかりポピュラーな装備だが、新型Eクラスではステアリングのリム(握る部分)にセンサーが組み込まれた。ステアリングアシスト作動中にドライバーが手放しをしていないか確かめるためのもので、従来はステアリングを動かさないと手放し判定されてしまっていたが、これからは触れていれば大丈夫。これによっておもに高速道路のロングドライブなどではドライバーのストレスはますます軽減される。結果的に安全性を高めることにもなるはずだ。

 

 

クーペとカブリオレも待ち遠しい

 

初代Eクラス(1985〜1995年)から設定された長い歴史を誇るカブリオレ。オープンカーのルーフはソフトトップのほうが、優雅さでは断然上だろう。閉じた状態も美しい。ボディとのカラーコンビネーションも楽しめる。ルーフは電動式で開閉ともに約20秒でスピーディに完了。※写真は欧州仕様車。日本仕様は右ハンドル。

 

 

 エンジンで注目なのはE450に搭載される直列6気筒だ。既存のV型6気筒に比べると振動特性に優れるため官能的な吹き上がりやサウンドが楽しめる。ISGと呼ばれるマイルドハイブリッドと組み合わされているのでパフォーマンスと環境性能の両立が果たされている。

 

 その他、メルセデスのことだから目に見えない部分にも手を入れて大きく進化していることだろう。センター・オブ・メルセデスに手抜かりがあろうはずがないのだ。

 

 

日本のクーペは若者向けのデートカーというイメージが強く、流行に左右されて今では下火だが、欧州では生活に余裕がある大人のクルマとして根強い需要がある。Eクラス・クーペはその代表格で、ビジネスエリートや子育てを終えた壮年の夫婦などが似合う。優雅なスタイルが最大の特徴で2人乗車がメインと思われがちだが、後席の空間も広々としたフル4シーターとなっている。セダンやステーションワゴンに比べると走りがスポーティなのも魅力。写真はメルセデスAMG E53クーペのため、迫力あるスタイルとなる。※写真は欧州仕様車。日本仕様は右ハンドル。



 

 

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