HOW to WEAR, HOW to ENJOY!
鴨志田流着こなし術 Vol.2
ジーンズは程よいリラックス感で楽しむ
August 2019
世界にその名を轟かせるウェルドレッサー、ユナイテッドアローズの鴨志田康人氏。
氏のエレガンスの秘密を紐解く連載第2回はジーンズのスタイリングについて。
photography jun udagawa text yuko fujita
鴨志田康人 Yasuto Kamoshita
1957年生まれ。ビームスを経てユナイテッドアローズの設立に参画。2004年からクリエイティブディレクターを務め、昨年よりクリエイティブアドバイザーに。07年、自身のブランド「カモシタユナイテッドアローズ」を始動。6月のミラノでは、2年越しのプロジェクトを発表。
鴨志田ファンとしていわせてもらうと氏のジーンズスタイルでオフホワイトのリーバイス519 ピケのイメージは強くあるが、ブルージーンズ（特に濃紺）を穿いているイメージとなると、なかなかない。氏にとってジーンズとはどのような位置づけで、どう楽しんでいるのか。そんな疑問から、今回は「ジーンズ」の装いを披露してもらった。
「確かに濃紺のジーンズは穿かなくなりました。今はジャケットスタイルにも自然に取り入れられる、経年変化してクタッとした感じのタイプが好きですね」
ジーンズを合わせる際の、氏なりのわかりやすいルールもある。
「ジーンズにグッドイヤーの紐靴は自分の体型には合わないような気がしていて、素足に華奢なスリッポンを合わせることがほとんどです。それとジーンズのときはベルトはしません。これは絶対（笑）。私のジーンズの装いのベースにあるのは80年代のフレンチトラッドで、シルエットは緩やかなテーパード、それを気持ち短めに合わせるのが好きなんです」
LEVI’S 519 Levi’s Vintage Clothing
鴨志田氏を象徴するリーバイス519 オフホワイトピケ
鴨志田氏のジーンズスタイルといえば、まずこのリーバイス519オフ白のピケ。ピケの素材感とオフ白のマッチング、理想的なテーパードシルエットがお気に入りの理由だ。リヴェラーノ＆リヴェラーノで仕立てたアイリッシュリネンスーツのジャケットを前を開けて着て、Hのロングスリーブカットソーを裾出しでリラックス感たっぷりに。「ジャケットを合わせつつもリラックス感を出して着るのが好きなので、そういった素材・雰囲気のジャケットを選んでいます」ジャケット、カットソー、ジーンズ、シューズ property of Yasuto Kamoshita
Kamoshita’s愛用ジーンズ〔01〕
「519のピケ、それもこのオフホワイトのみが大好きで、同じのを3本所有しています。アイビー少年だった頃からこれで、当時ブルージーンズは穿いてはいけないものとさえ思っていました。当時の象徴だったアンソニー・パーキンスみたいに少し短めに穿くのが好みです」
LEVI’S 501 Vintage“66 Big E”
ブルーデニムはリラックス感ある色落ちのヴィンテージが基本
大柄でありながら品のよさを備えたサルトリオのチェックジャケットにヴィンテージのシャツ、それにシルエットと色落ちがとても気に入っているというリーバイスの501 66 モデルをコーディネイト。足元は素足でベルジャンシューズ。ジャケットスタイルでありつつ気張っている感がまったくないこの自然体を参考に。
Kamoshita’s愛用ジーンズ〔02〕
絶対的マスターピースの501であるが、実は時代ごとにシルエットは変化していて、こちらはヴィンテージの中でも細身で若干のテーパードが美しいとされている66モデル。「ブルーデニムはこのくらい色落ちしているほうが、ジーンズらしいリラックス感があって好きですね」ジャケット、シャツ、チーフ、ジーンズ、シューズproperty of Yasuto Kamoshita
LEVI’S 551 Vintage
褪せた色合いのコーデュロイは年間を通して愛用
カモシタユナイテッドアローズの10年ほど前のバティックプリント風シルクジャケットに、シャルベのタブカラーシャツ、フィオリオのタイをコーディネイト。足元はボードイン＆ランジ。色合わせの妙で、モダンなアプローチによるジャケットとの組み合わせを溶け込ませてしまうことこそ、鴨志田マジック。ジャケット、シャツ、タイ、ジーンズ、シューズproperty of Yasuto Kamoshita
Kamoshita’s愛用ジーンズ〔03〕
「コーデュロイジーンズも好きで、何本か所有しています。ライトオンスなので、シーズン関係なしに1年中穿いています。リーバイスに限らずリーも好きで、ともに穿き込んで褪せた感じと、この独特な野暮ったさがいいんです。何も考えずに穿けるところもいいですね！」ジャケット、シャツ、タイ、ジーンズ、シューズproperty of Yasuto Kamoshita
＜本連載の記事は以下より＞
Vol.4 2019年秋冬的フレンチトラッド術
Vol.5 今どきのフォーマルの楽しみ方とは？
