GRAND SEIKO “Heritage Collection SBGH283”

雫石の工房でしか買えないスペシャルモデル

July 2023

 

伝統的な44GSデザインを踏襲しつつ、工房の周辺にある森の新緑から着想を得たグリーン×縦のストライプ模様のダイヤルを採用し、雫石専用モデルとした。毎時36,000回という高速振動により安定した精度を実現する、Cal.9S85を搭載する。自動巻き、SSケース、40mm。¥792,000 Grand Seiko

 

 

 

 静謐な森に囲まれた、建築家・隈研吾氏による瀟洒な建物。岩手県雫石町にある「グランドセイコースタジオ 雫石」は、日本が世界に誇るグランドセイコーの新たな製造施設であり、9Sメカニカルムーブメントを生み出す世界有数のマニュファクチュールである。オープンしたのは2020年の夏だが、コロナ禍ということもありメディアでの露出もしばらく限られていた。小誌ではおなじみの洒落者でグランドセイコーの愛好家であるマーク・チョー氏もこの工房を訪れているが(詳細はISSUE50の記事にて)、現在は事前予約制にて一般公開されている。

 

 この見学ツアーでは、時計師による組立・調整を間近で見学できるほか、ムーブメントを分解した標本の展示や、ブランドの歴史・背景を学ぶことができる。また、昨年のジュネーブ時計グランプリ(GPHG)でクロノメトリー賞を受賞した「Kodo コンスタントフォース・トゥールビヨン」の基礎であるコンセプトモデル、「T0 コンスタントフォース・トゥールビヨン」の実機が展示されており、これだけでも訪問の価値があるといえる。

 

 さらに極めつきは、雫石にしかないモデルを購入することができること。ハイビートムーブメント「9S85」を搭載し、スタジオの森をイメージしたグリーンカラーダイヤルの「SBGH283」は、知る人ぞ知る特別なモデルとなっている。生産数に限りはないが、世界中のファン垂涎のレアモデルであることは間違いない。ぜひ工房見学に訪れて手に入れてほしい。

 

 

 

ケースバックからは精緻なCal.9S85を見ることができる。ローターには特別なモデルであることを示す「Shizukuishi Limited」の刻印が施されている。

 

 

岩手県雫石町にある「グランドセイコースタジオ 雫石」。見学は入場無料で、WEBサイトから要予約。