Panerai - Brand Ambassador MIKE HORN —Interview—

パネライが20年以上共鳴した冒険家の情熱

November 2023

パネライのブランドアンバサダーを務めるマイク・ホーン氏。今年、新たなプロジェクトを始動させた彼にインタビューする機会を得た。

 

 

Mike Horn/マイク・ホーン

1966年、南アフリカ・ヨハネスブルク生まれのスイス人冒険家。自然動力移動で南米大陸単独横断(1997年)、赤道一周(2000年)、北極圏周遊(2004年)などの偉業を達成。以降も、帆船パンゲア号に乗船してさまざまな探検にて地球の環境調査を敢行。2023年、「What’s Left Expedition」を始動。

 

 

 

 衛星とインターネットが支配する現代でも、世界には未踏の地がまだまだ存在する。隠された洞窟や未知の海、人里離れた風景は、冒険心を刺激する。パネライのブランドアンバサダー、マイク・ホーン氏は、今年4月に「What’s Left Expedition」と題した新たな冒険に足を踏み入れた。

 

「私にとって非常に個人的な旅です。かつて私が訪れた象徴的な場所や、手つかずの大自然を訪れ、何が残されているのか、何が変化したのかを調査します」

 

 北極、南極、アマゾン、パタゴニア、オーストラリア、カナダ、アラスカ、アジアなどを4年間かけて訪れ、それぞれの目的地で最長6カ月を過ごす。過去30年にわたり世界中で過酷な探検を完遂してきたホーン氏の集大成となるこのプロジェクトを通じ、彼は自身の冒険家としてのキャリアを見つめ直そうとしている。

 

「この遠征に対する私の思いは、“決意”と“責任”。未来の世代に残されたものを守るために行動する必要がある。地球環境を保護する重要性を再認識し、人々に行動を起こすよう促すことが目的です」

 

 ホーン氏は、破天荒な冒険家だ。これまでカヌーや自転車、スキーなどで動力つきの移動手段に頼らず、赤道一周や北極圏周遊などを成し遂げてきた。長年彼の相棒となっている全長35mの帆船「パンゲア号」は、風の力を頼りに大海原を進む。船体はリサイクルしやすいアルミが無塗装で用いられ、甲板にはソーラーパネルを完備するなど、環境に配慮した設計となっている。

 

 

上4枚:2023年5月、「What’s Left Expedition」の最初の調査地として到達したグリーンランド。過去半世紀の間に起こった変化を調査。

 

 

 

環境保護とそれを次世代につなぐ活動

 

 地球を観察し向き合うことに人生を費やしてきた彼は、一方で若い人材への支援にも積極的だ。2022年に若者のための教育・環境プログラム「Pangaea X」を立ち上げ、今年は第2回をスタートさせている。また第1回で優勝したチームの学生たちをアイスランドで乗船させる。

 

「若い世代に環境問題に対するインスピレーションを与え、彼らが将来環境保全のリーダーになるように導きたい。若者こそが私たちの希望です。彼らに知識と情熱をつないでいきたいのです」

 

 冒険に、教育、そして環境問題へのコミットメントを組み合わせることで、彼はより持続可能な未来に向けた行動を促すことに貢献したいと考えている。

 

「『What’s Left』と『Pangaea X』のゴールは互いに関わり合っています。冒険を通じて地球の美しさと儚さに光を当てつつ、環境問題を提唱し、将来に向けた行動を促す。そして次の世代につなぎ、地球上のすべての生き物のためによりよい未来を確保する。それが私の責任です」

 

 

 

2008年よりホーン氏の相棒となった、全長35mの帆船パンゲア号。修復や改装を重ね、今回の冒険でも活躍する。

 

 

2020年にパネライが製作したホーン氏とのスペシャルモデル、「サブマーシブル エコ パンゲア™ トゥールビヨン GMT」。

 

 

 

パネライとの揺るぎない絆

 

 冒険に必要な勇気、屈強な精神、そして決断力を備えたホーン氏は、パネライの理念と共鳴する。パネライとは20年以上もの長い間、パートナー関係にある。

 

「お互いに大胆でダイナミックな姿勢を共有しています。私たちのパートナーシップは、常に限界に挑み、私たちを取り巻く生態系を尊重しながら挑戦を受け入れるという価値観の上に成り立っています。私の探検においてパネライからのサポートは非常に貴重であり、多くの場面において信頼できる仲間として存在しています。大自然への情熱を共有するブランドと手を結べることを誇りに思います」

 

 パネライはこれまで幾度となくホーン氏の名を冠した限定モデルを発表してきた。中でも「サブマーシブル エコ パンゲア™トゥールビヨン GMT」は本人の思い入れの強いモデルとなったようだ。

 

「冒険の思い出が込められたリサイクル素材を用いつつ、機能的な計器として生まれ変わったものだからです。探検中に遭遇する過酷な状況にも耐えることができる、頑丈で信頼性の高い時計です」

 

 実はこの時計、ケース素材にパンゲア号のドライブシャフトをリサイクルしたスティールを用いている。また、限定モデルの購入者を対象に、ホーン氏とともに行く北極圏探検ツアーを敢行した。

 

「このツアーを通じて、私の知識と自然保護のメッセージをゲストに伝えることができました。また、私がどのように探検生活を送ってきたか、その中でパネライの時計がいかに過酷な条件下に欠かせないサバイバル機器となるのかを実践的にお見せできる貴重な機会となりました」

 

 パネライはホーン氏との関係性を通じて、リサイクル素材への取り組みをいっそう深めている。互いに影響を与え合う、両者の絆は強固だ。最後に、北極圏探検ツアーには行くことができなかった諸兄に向けて、メッセージをくれた。

 

「地球を守るために行動を起こさなければなりません。どんな小さな行動も大切です。力を合わせれば大きな変化をもたらすことができる。環境を守るための一歩を、今踏み出しましょう」

 

 

 

冒険にもふさわしい

定番サブマーシブル

 

サブマーシブル

クアランタクアトロ ビアンコ

 

パネライで人気のケースサイズ、「44mm」をイタリア語で冠したモデル。300mの防水性能とリュウズプロテクターを搭載したダイバーズウォッチで、大自然の中でもタフに活躍する。写真のラバーストラップは30%がリサイクル素材。さらに68%がリサイクル素材のファブリックストラップも付属。自動巻き、SSケース、44mm。¥1,321,100 Panerai(オフィチーネ パネライ TEL.0120-18-7110)