Thursday, April 10th, 2025

木樽で熟成された時の香り「アビルージュ スピリット パルファン」誕生

 1965年に生まれたゲランの「アビルージュ」は、初めて登場した本格的な男性用オリエンタル系香水といわれている。この名香が今年で誕生60周年を迎えた。この節目にゲランは、フランスの名門コニャック・メゾン「ヘネシー」とのコラボレーションに挑んだ。通常はコニャックの熟成にしか使われないオーク樽に、香水を封じ込めるという前代未聞の試みを行ったのだ。こうして誕生したのが「アビルージュ スピリット」(内容量100ml)である。

 舞台となったのはヘネシーの中でももっとも神聖な熟成庫「パラディ」だ。用いられたのは10年間コニャックを熟成させたオーク樽である。その中でゆっくりと時を重ねた香水は、ウッディで甘いノートを纏い、レザー、アンバー、そしてヘネシーの芳香を持つ深い香りへと変容していった。香水でありながら、コニャックの余韻を持っているのだ。

 この唯一無二の香りは、ゲランの専属調香師デルフィーヌ・ジェルクと、ヘネシー8代目マスターブレンダー ルノー・フィリュー・ド・ジロンド、2人のクリエイターによって生み出された。時を見極め、素材を敬い、感覚を信じるという共通の哲学が、両者をひとつに繋いだ。

 ゲランの新作フレグランス「アビルージュ スピリット」は、まさに時の深みを身にまとうための香りなのだ。

 

text: the rake