Tuesday, June 1st, 2021

ロールス・ロイスがコーチビルド制度を復活し、「ボート・テイル」を発表

 ロールス・ロイスは、復活したコーチビルド部門の手によるビスポーク仕様のボート・テイルを発表した。同社は2017年にロールス・ロイス スウェプテイルを発表して成功を収めたことをきっかけに、ブランドのルーツとも言える重要な存在であった同部門を復活。今後はオーナー主導の特注プログラムに基づき、世界に1台しかないビスポーク車製作を本格的に強化する。

 今回発表されたボート・テイルは、3名の顧客からの「今まで見たことのないものを作ってほしい」というリクエストの元、4年間の歳月をかけて製作。これら3顧客が皆ヨットへの造詣が深いことから、Jクラスのヨットに着想を得て、ロールス・ロイスのシャシーに船体の造形を移植する「ボート・テイル・タイポロジー」を現代の手法で表現するという提案が行なわれたという。

 制作は手書きでデザイン案を描いたのち、実物大のクレイ・モデルとしてかたちづくり、それをデジタルでリマスター。そこから雄型を作り、その上にアルミ板を載せ、ハンマーを使って手作業で成形する。ヨットの建造と同様のプロセスを使用し、人の手による技術や工芸の技法を駆使しながら、アルミニウムのボディに磨きをかけ、調整を繰り返すことで、機械だけでは実現できない明快な面構成とラインの連続性を生み出した。

 全長約5.8mのボート・テイルは、伸び伸びとしたプロポーションと明快な面構成により、上品でくつろぎのある姿勢を表現。フロントパンテオン・グリルとライトを中心にリデザインされ、後方に向けて細くなるリヤエンドはモーターボートの姿を連想させる。木製のアフトデッキも特徴だ。ボディカラー、インテリアともに海を想起させるブルーを用いている。さらにリヤデッキはボタンを押すとデッキが蝶の羽根のほうに大きく開き、中にはヴィンテージ・シャンパーニュの適正温度である摂氏6度まで急速に冷やす冷蔵庫とカトラリーケースが。またスイス・ボヴェ社特注で取り外しもできるダッシュボード・クロックや、モンブランのペンを収納するための特別ケースなども搭載されている。

 究極のラグジュアリーを尽くしたロールス・ロイスのコーチビルドで、次のビスポーク車を作るのはあなたかもしれない。

 

 

ロールス・ロイス・モーター・カーズ

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