大人だけの愉しみ
Wednesday, September 22nd, 2021
text shige oshiro
『007 カジノ・ロワイヤル』(2006年)でマッツ・ミケルセンが演じたル・シッフル。
コロナ禍、世界中で移動が制限される中、ふと思い出したかのように何かが頭をよぎった。そう、多い時には毎月のように遊びに行っていたカジノだ。今から20年程前になるだろうか、知人に誘われ初めて訪れたマカオ。以来、ラスベガス、モナコ、ソウルなど、海外旅行(または出張)時の食に次ぐ楽しみのひとつとして、ちょこちょこ訪れてきた。
日本でも、IR誘致の是非を問う論争は暫し行われているが、この問題は専門家の方々にお任せするとして、とにもかくにも、華やかな社交場としてカジノを楽しむのは、まさに大人の醍醐味だと思う。
映画の世界でもカジノを舞台とした作品は多く、なかでも2008年公開の『ラスベガスをぶっつぶせ』でミッキー・ローザ教授役のケヴィン・スペイシーは、“大人になりきれない立派な大人”を好演しているし、挿入歌のローリング・ストーンズの『You Can’t Always Get What You Want』も映画の内容によくマッチしている。
そして、なんといっても秀作は、2006年に公開された『007 カジノ・ロワイヤル』であろう。今号の表紙でもあるマッツ・ミケルセン演じるル・シッフルとジェームズ・ボンドとの超絶なハイレートの一対一のポーカー勝負は、見所たっぷりだ。おそらくポーカーをやらない人でも、両俳優のポーカーフェイスの演技が、その“ゲーム”のスリルを存分に味わわせてくれるだろう。ジェームズ・ボンドさながらに、フルオーダーのタキシードを身に纏い、最愛の女性の幸運のキスとヴェスパー・マティーニを片手に、人生の大勝負をいつかしたいものだ。まさに男の夢である。
くれぐれも読者の皆様、オールインのタイミングだけは、慎重に。
Letter from the President とは?
ザ・レイク・ジャパン代表取締役の大城が出合ってきたもののなかで、特に彼自身の心を大きく動かしたコト・モノを紹介する。