注文靴の旗手“YOHEI FUKUDA”に学ぶ
ヨウヘイ フクダに聞いた、失敗しないビスポーク靴Q&A
January 2020
photography takeshi wakabayashi
Step3 採寸・仮縫い
“ジャストフィットの基準”を知ろう
Q20:採寸の時はどんな服装がいい?
A:仕上がりのイメージをつかむため、オーダーいただく靴を合わせたい服装でいらしていただくことをおすすめします。またソックスも、その服装のときにお履きになるものがベストです。それから、これは必須ではないのですが、実は明るい色のソックスのほうがありがたいのです。採寸時には足の形を摑むため写真を撮るのですが、明るい色のほうがくっきりと写り、把握しやすいのが理由です。
Q21:採寸時に心がけたいことは?
A:足の寸法を計測する際、下を向いたり横を向いたりすると数値が変わりますので、前を向いた状態で、リラックスしつつ両足へ均等に体重をかけた状態でお立ちいただくようお願いしています。
Q22:適正な靴のフィット感とは?
A:①踵が浮かず、締めつけが強すぎない ②履き口に隙間ができない ③アーチの高さが適切 ④羽根が適度に開いている ⑤快適な幅・高さがある。これがポイントです。④については、美観だけなら羽根が閉じ切っていてもよいのですが、それだと靴紐によるフィットの調整がまったくできないため、多少羽根が開いているほうがベターでしょう。当店ではフィッティング用に各サイズの靴を揃えていますので、そちらをお履きいただいて、お好みのフィット感を確認しています。
Q23:朝と夜で足のサイズが変わると聞くが、採寸に適した時間帯はある?
A:基本的にはいつでも結構です。ただ、飲酒後や長時間のフライト後、怪我をしている最中などは避けてください。
Q24:仮縫い時の注意点は?
A:当店の場合、仮縫い用にまず一足作り、問題点を確認したあとにもう一足ゼロから作り直します。ですから、注意深くフィット感を確認いただき、少しでも違和感を覚えた部分は遠慮なくおっしゃってください。もちろん私のほうでもフィットの確認をさせていただきます。
Q25:完成後に足が大きくなったら直すことはできるのか?
A:年齢を重ねたことにより、アーチが沈んで足が大きくなるケースがありますが、多少であればアッパーにストレッチをかけて伸ばすことが可能です。
Q21:
採寸の風景。用紙の上に立って足のアウトラインをなぞりつつ、骨の位置にシールでポイントを付けて各部の計測を慎重に行なっていく。
Q22:
フィッティングの確認用に各種サイズの靴を取り揃えている。フィット感の好みは人により異なるため、これが大きな手がかりになる。
Q24:
仮縫い用に作られた靴。トウやヒールなどを切り開いて足の当たり方を確認し、もう一度ラストを入れて修正をかけていく。
YOHEI FUKUDA東京都港区南青山2-12-27 BAL青山2F
TEL.03-6804-6979
定休日:日曜
外苑前駅至近の好立地に構えるオーダーサロン兼アトリエ。本場英国仕込みの技による至高の一足を仕立てられる。さまざまなサンプルが並び、入門者にもやさしい店構えだ。来店時は要予約。ビスポーク料金は¥420,000~。納期は約1年半~。
本記事は2019年9月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。
THE RAKE JAPAN EDITION issue 30