注文靴の旗手“YOHEI FUKUDA”に学ぶ
ヨウヘイ フクダに聞いた、失敗しないビスポーク靴Q&A
January 2020
photography takeshi wakabayashi
Q13:シングルソールか、ダブルソールか
A:ドレス靴にはシングル、カジュアル靴にはダブルというのが基本ですが、同じシングルソールでも厚みをさまざまに変えられるのがビスポークの利点。“ドレス靴だけど、少し武骨な雰囲気にしたい”といったときには厚めのシングルにするなど、色々な選択肢が考えられます。
Q14:ビスポーク靴でラバーソールはアリか
A:もちろんアリだと思います。当店でも約1割のお客様がラバーソールでビスポークされています。レザーソールのように見える薄手のものからカジュアル用の分厚いラバーソールまで、さまざまなものを使いますが、現在オリジナルのラバーソールを製作中なので、そちらも是非お客様にご紹介していきたいですね。
Q15:アッパーの装飾にはどんなものがある?
A:革の切り替え方のほかに、メダリオンやパーフォレーションといった穴飾りでお好みの装飾を施すことができます。メダリオンの形や、パーフォレーションの穴の大きさなどもいろいろとお選びいただけます。この組み合わせ方次第で結構印象が変わるので、実はこだわりどころですね。
Q16:スーツに合わせるならどんな靴をオーダーすべき?
A:ビスポークらしいところとしては、サイドエラスティックのプレーントウはいかがでしょうか。ローファーのような感覚でお履きいただけますが、佇まいはフォーマルでエレガントです。靴を脱ぎ履きすることが多いシーンでも活躍します。もちろん王道の内羽根靴もよいでしょう。その場合、お持ちのスーツの生地より一段濃い色の革でオーダーいただくと、美しく馴染むと思います。
Q17:ジャケパンに合う靴を仕立てたい
A:エレガントなジャケットスタイルならば、外羽根の3アイレットやウイングチップなどで、少し明るめなブラウンのレザーで仕立ててみては。穴飾りのないウイングチップの「オーステリティーブローグ」なども洒落た選択だと思います。
Q18:休日に履くための一足が欲しい
A:スエードの外羽根靴やローファー、ブーツなどがおすすめです。厚みのあるラバーソールを取りつけたりして、タフな一足に仕上げることもできますよ。
Q19:シューメーカーとして“これは迷惑”ということは?
A:ビスポーク靴はお客様の足に合わせて、ゼロから製作していくものです。我々も最大限、お客様の理想を叶えるために努力しますが、1足目から完璧な仕上がり、とはなかなかいきません。それをご了承いただいたうえで、2足目、3足目と進んでいただき、お客様とシューメーカーの共同作業によって完成度を高めていくものだということをご理解いただけると嬉しいですね。それから、仮縫いのタイミングで短靴からブーツに変更するといった大幅なデザイン変更や、事前にお伝えした納期を早めるリクエストなどもお控えいただけると幸いです。
Q13:
エレガントなシングルソール。よりタフな雰囲気が好みなら、ややソールの厚いシングルにするのもよし。
Q15:
メダリオンやパーフォレーションは、見本で確認することができる。微差のようでかなり仕上がりに影響する箇所。
Q16:
ドレスシューズのラストで仕立てるサイドエラスティックシューズは、脱ぎ履きが容易ながらスーツにも合うフォーマル感を備えているのがポイント。右は正統派のパンチドキャップだが、ヨウヘイ フクダならではのスワンネックとロングヴァンプがさりげないアイコンになっている。
Q17:
ジャケットスタイル向きのオーダー例。手前はウイングチップながら穴飾りを排した「オーステリティーブローグ」と呼ばれるデザイン。砕けすぎないため、ビジネスシーンにもふさわしい。
本記事は2019年9月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 30