THE SINGAPORE SCENE vol.04
シンガポールのクラシックが面白い vol.04
November 2019
photography gerald low
マネージング・ディレクターのアレクサンダー・ハッシャー氏。クルージングの際、洋上で着るのにも最適。
Scene 3 ▶ 独×シンガポール×伊×英という多国籍
SACCO ザッコ
eコマースで発信する新しいラグジュアリー
シンガポール在住のドイツ人・アレクサンダー・ハッシャーが昨年12月にローンチした「ザッコ」の存在は、ウワサに聞いていた。モデリストはサヴィル・ロウのカッター、生産はナポリ、ファイナンスはシンガポール。1モデル12色のジャケットをインターネットのみで世界に販売している、今日のシンガポールを象徴するブランドだ。
アレクサンダーとは世界中からの富裕層が居住しているセントーサ島で合流し、彼が用意してくれた豪華クルーズ船上での取材となった。1971年生まれの彼は88年にシンガポールに移り住み、93年から3年間、パリのESSECで学び、錚々たるラグジュアリーブランドを渡り歩いてきた。
「今日までキャリアを積んできて、高価なものだけがラグジュアリーではないことに気づいたんです。ナポリで作られたザッコの美しい色のジャケットは価格が手頃でコンパクトに畳めるので、それらを旅先にも持参してもらって気軽に楽しんでもらうことができます。これこそが、ザッコが考える新しいラグジュアリーのかたちです」
ファーストコレクションの生地は、シワになりにくく通気性に富んだヴィターレ・バルベリス・カノニコのホップサック。コンパクトに折り畳めるジャケットは、ピッツァボックスのような小さな箱に折り畳まれて届けられる。マイネッティ製のハンガーとガーメントケースが付属し、価格は395ユーロ。
彼の提案は世界中のジェットセッターたちから大好評だ。旅先でもその日の気分でジャケットの色を選べる幸せ。シンガポールのクラシックシーンがつくづく面白い。
本記事は2018年5月24日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 22