THE BEST RAKISH LUXURY SPORTS WATCHES

成功の証
ラグジュアリー・スポーツ時計

October 2020

text tetsuo shinoda
issue10

issue10

ロイヤル オーク トゥールビヨン エクストラ シン(左)ラグジュアリー・スポーツウォッチの特徴のひとつが、着用感を高める薄型ケース。薄い時計は、設計、パーツ製造、組み立て、仕上げなどで高いレベルを求められるが、スイス屈指の名門マニュファクチュールであるオーデマ ピゲだからこそ、それが可能だった。繊細で複雑なトゥールビヨンを搭載しているにもかかわらず、ケース厚は9mmしかない超薄型モデルは、ベゼルにダイヤモンドをセッティング。バゲットカットタイプなのでクールにまとまる。日本限定モデル。手巻き、18KWGケース、41mm。¥22,700,000 Audemars Piguet(オーデマ ピゲ ジャパン Tel.03-6830-0000)

ロイヤル オーク オートマティック(右)ステンレススティールウォッチとして登場したロイヤル オークだが、ラグジュアリー感を強めたゴールドウォッチも得意。平面部分をサテン仕上げに、斜面部分にポリッシュ仕上げを施すことで、メリハリのある輝きを生み出している。ベゼルのビスはホワイトゴールド製なので、さりげなくコンビケースになっているというのも面白いところ。昨年デビューした自社製ムーブメント、キャリバー4302を搭載。自動巻き、18KPGケース、41mm。¥5,250,000 Audemars Piguet(オーデマ ピゲ ジャパン Tel.03-6830-0000)

AUDEMARS PIGUET“ROYAL OAK”時代をつくり、時代を牽引する大傑作
 1972年に誕生した「ロイヤル オーク」だったが、初速はよくなかったらしい。丁寧な仕上げを施した薄型ケースの時計だが、ステンレススティールモデルとしては高価だったのだ。人気が加速したのは2000年代に入ってから。JAY-Zやファレル・ウィリアムスらヒップホップ系のアーティストから支持され、ストリートカルチャーと深くつながったことで、さらに知名度を高めていった。

「ロイヤル オーク」の魅力は、変わらないスタイルにある。天才デザイナー、ジェラルド・ジェンタが考案した、八角形ベゼルや向きまで整えたビス、平面をサテン、斜面をポリッシュで仕上げ分けるディテールなどのデザインは、今もほとんど変わらずに受け継がれている。そしてその揺るぎないスタイルを守りながら、ハイコンプリケーションやゴールドウォッチなどさまざまなバリエーションを増やしている。

「ロイヤル オーク」は、他の何にも似ていない。オンリーワンの存在だからこそ、一度その世界に魅了されたら他の選択肢はない。時代をつくり、時代を牽引する時計は、その魅力が変わることはない。まさに究極のラグジュアリー・スポーツウォッチだ。

本記事は2020年9月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 36

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