STREET SMART
英国のサブカルチャーA to Z
September 2016
ソーホーのポール・ウェラーとピート・タウンゼント、1980年。
この最高にナルシスティックなカルトは、やがてグローバルなファッション・トレンドになっていく。ザ・フーやスモール・フェイセスといったバンド、また初期のビートルズやローリング・ストーンズなどを通して、モッズは世界中のオーディエンスに届けられた。
スリムでダークなスーツに身を包んで『レディ・ステディ・ゴー!』などのテレビ番組に出演した俳優マイケル・ケインは、もともとモッズというわけではなかったが、その教義を引き継ぎ、細いニットタイと労働者階級らしいコックニーのアクセントで、その格好よさを伝えた。
今日でもモッズは、時代を超越した魅力をたたえており、ポール・ウェラーはこのムーヴメントにもとづいた自身のブランド“リアル・スターズ・アー・レア” を立ち上げた。
「僕のやることはすべて、モダニズムとモッズであることに導かれ、触発されているんだ」とウェラーは言う。
「そこには最高の音楽とスタイルがある。それが今でも人気がある理由さ。それは“ファッキン・グレート・ルック”だ。美しいカットのミッドナイトブルーの、2ピースか3ピースのスーツは、いつだって最高にクールなのさ」
スキンへッズの登場 しかしながら、モッズがはじめに現れた際、68年以降には、一時的に流行遅れになり、あきらかな断絶が生じた。エルムスは記す。