President of Audi Japan K.K. PHILIPP NOACK —Interview—
THE FUTURE OF AUDI “e-tron GT”

アウディが描く、ラグジュアリーな未来

July 2021

text tatsuya kushima
photography hirohiko mochiduki

 先ほどからサスティナブルについての話が多く出ていますが、これまでアウディが掲げてきたラグジュアリーとサスティナビリティは両立するものなのでしょうか?

「私はそれは両立するものだと強く信じていますし、アウディはサスティナブルをラグジュアリーなカタチで推進していきたいと考えています。実際にこのe-tron GTではレザーフリーパッケージ、つまりレザーを使わない仕様を用意しています。リサイクル素材を使ったそれで、お客様に対してもアウディはこういったことができることを強くアピールしたいと思っています。工場でも、サプライチェーンでも、こういった素材でも、アウディがサスティナビリティに真剣に取り組んでいることを知ってもらいたいところです。アウディジャパンはSDGsにも取り組んでいます。今年4月のアースデーには社内で気候変動に関するワークショップを行いましたし、会社としてもチームとしてもどうやったら二酸化炭素を減らしていけるか、といった課題にも取り組んでいます」

 最後にノアック社長はおしゃれな方としても知られていますが、e-tron GTに合うようなファッションイメージはお持ちですか?

「このクルマは幅広い年齢の方に好まれると思います。実際に試乗された方は40代から70代までいらっしゃいました。なので、年齢ではなく、EVやサスティナビリティに興味があり自分で行動を起こすような方がターゲットユーザーになると考えます。そんな方には、リサイクル素材で作られたウエアやシューズなどもいいかもしれません。まさにサスティナブルな商品と言えるでしょう。また、同じサスティナブルという観点で、上質なものを長く使うというのも大切なことかと思います。私はジョンロブの靴が大好きなのですが、考え方によってはそれもそうです。確かに他の靴より値段は高いのですが、20年履き続けることを考えれば意義はあるのかと思います。時計で例えるなら、ロレックスやパテック フィリップなどの高級時計もそうかもしれません。ご存知のように、これらは父から子へ世代を渡って受け継がれるのですから、それも同様にサスティナブルだと考えられます。e-tron GTに興味を持ってくださる方は、未来のことを考え、子供たちの将来のより良い暮らしを考えるのではないでしょうか。余談ですが、私にも12歳の息子がいますが、時計好きな彼は私の腕を指差し『パパその時計いつくれるの?』と言います(笑)。12歳でロレックスはまだ早いですよね。いずれにせよ、アウディは進化しています。これからもその動向にご期待ください」

※期間限定のAudi House of Progress Tokyoは、5月末をもって終了致しました。

本記事は2021年7月26日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 41

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