PECORA GINZA SATO’s CHOICE

ペコラ佐藤の30年やってわかった
いい生地BEST 10

December 2021

photography natsuko okada
LORO PIANA “The Smarter”
ロロ・ピアーナ “ザ・スマーター”

300g。ロロ・ピアーナ スマーター ウールジャージ グレイ シングルジャケット¥324,500(フルハンドメイド仕様)

“フルハンド”にも
相応しいジャージー地
「今年発売された最新の生地で、実はジャージー地なのです。私自身、ずっとジャージーで洋服を作ってみたかったのですが、手縫いのビスポークで試したくなるような生地はありませんでした。しかしこれは別格です。素晴らしい肌触りと群を抜いた高級感があります。袖裏地や前身頃のダーツをなくすなど、この生地用に新しいデザインまで考えました。薄手の芯地も入っていて立体感もあります。ゼニアからもジャージーが出ており、これからこの手は増えると思います」

DASHING TWEEDS
ダッシング ツィード

290-310g。ダッシングツイード グリーンツイード シングルジャケット ¥313,500(フルハンドメイド仕様)

こんな時代だからこそ、
まったく新しいツイードを
「2006年に創業した英国のブランドで、“アーバン・モダン・ツイード”を標榜し、まったく新しいツイードを開発しています。ユニークなのは、それぞれの生地に名前がついていること。例えばこの写真のモデルは“ギブス”といいます。当店では現在“トリプルアップ・キャンペーン”という企画を実施中。これは三密への反骨と装いの力がテーマで、その一環として、オリジナルのツイードも製作しました。こんな時代だからこそ、こういうチョイスがあってもいいと思います」

W.BILL “Irish Donegals”
W.ビル “アイリッシュ ドネガル”

440g。W.ビル アイリッシュ ドネガル カーキーグリーン シングルジャケット ¥288,200(フルハンドメイド仕様)

昔ながら……
しかし明るい色目が魅力
「こちらはうって変わって、実にクラシックな、昔ながらのツイードです。W.ビルは数年前にハリソンズ・グループに買収されましたが、伝統的にツイードに強いブランド。ドネガルはいろいろな色が入ったネップを特徴としており、そこが『いいなぁ』と思います。遠目にはシックですが、よく見ると結構明るい色も入っており、他のメーカーだと地味でカントリーっぽくなりすぎるのですが、ここのものはカラーがキレイで、日本の都会にも似合うと思います」

PIACENZA “Vicuna”
ピアチェンツァ “ビキューナ”

ジャケット用360g、コート用470g。ピアチェンツァ ビキューナ ウーステッドジャケット シングルジャケット ¥1,815,000(フルハンドメイド仕様)

ペコラ銀座で
最も高価な生地
「ピアチェンツァは創業1733年とイタリアでも有数の老舗メーカーで、いまだに創業家の経営を貫いています。ここの祖先は欧州の金持ちの例に倣って冒険が大好きで、ヒマラヤからイタリアへ初めてカシミアを持ち帰ったことで有名です。以来高級獣毛を得意としています。ペルー産のビキューナは、当店で扱う中で最も高価な生地で、意外なことにウーステッドもあります。そのねっとりとした肌触りは、カシミアとは全く違うもので、まさに別格といえるでしょう」

ペコラ銀座東京都中央区銀座4-3-2 清水ビル3F
営業時間11:00~19:00 日曜・祝日定休
TEL.03-3535-6465
www.pecoraginza.com/

本記事は2021年9月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 42

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