HERMÈS LE CUIR
エルメスの革の物語 第2回
エルメスの幸せな職人たち
September 2021
一枚の革から最適な方法でパーツを切り出すため、革を”読む”。© Chris Payne
バッグ《バーキン》の留め具に鋲を打って丸く整えているところ。© Chris Payne
職人の育成と技術の継承 エルメスのものづくりの中心は人だ。そのことが社会面においても環境面においても、持続的な成長への挑戦を可能にしている。世界中で15,000人もの従業員を抱えており、そのうち3分の1以上が職人だ。同じファミリーであるという意識を保てるよう、各工房で働くのは250人から300人とし、それ以上にならないように調整している。
革製品の生産は、フランス国内でのみ行われている。パリおよびイル=ド=フランス、ノルマンディー、ブルゴーニュ=フランシュ=コンテなどに位置する20余りの工房とアトリエ内で、4,000人以上の職人が生産に携わっている。
エルメスは80人以上のトレーナー、200人以上のメンターに支えられている。それは職人の育成への継続的な投資を意味している。職人は2期18カ月のトレーニングを受ける。1期目では初歩的なサヴォワールフェール(職人技)を身につけ、2期目はメンターとマンツーマンでの“実践”を行う。
とはいえ、本当の意味で育成にゴールはなく、職人はキャリアの続く限り、ノウハウを一生磨き続け、メゾンは、サヴォワールフェールを究極まで追求し、継承し続けることを目標としている。
デリバリーされるのを待つ完成品たち。© Chris Payne
原材料は特に入念にセレクトされる。© Chris Payne
本記事は2021年7月26日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 41