CINQUANTA with Shuhei Nishiguchi

西口修平が語るCINQUANTAの魅力:CINQUANTAの服は男らしさの中に品の良さが漂っている

June 2025

text yuko fujita
photography jun udagawa

「ビッグシルエットでオーバーシャツのような雰囲気も備えた、新作のレザーウエスタンシャツです。オールドイングランドのマイクロボーダーニット、オシュコシュの70~80年代前半頃のペインターパンツにクリースを入れて穿き、90年代のトニーラマのウエスタンブーツ、ザ・ソールに私が別注したクロコダイルベルトを合わせました。シンプルなスタイリングに色使いと素材のアクセントをミックスし、昔のパリを感じさせる雰囲気をほんのり表現したのがポイントです」。0.4mmまで薄くすいたゴートスエードを使用した、アンラインド仕様のレザーウエスタンシャツ¥217,800 Cinquanta / Beams F ニット、パンツ、ベルト、ブーツ すべてproperty of Shuhei Nishiguchi

「イタリアのレザーウェアブランドってボディコンシャスで、俗にいう“イタリア男”的な空気感をもった服が多いように思いますが、チンクアンタはそっちに振っていない、イタリアでは数少ないレザーウェアブランドなんです。正統な男らしさと一歩引いた感じの柔らかく控えめなエレガンスを備え、モデルによってはアメリカやイギリスのニュアンス、ときにはフランスっぽさを感じさせたり、さまざまなテイストがいい塩梅で溶け合っているんです。そういった立ち位置のブランドって世界を見ても他にないと思います。15年前、袖口がリブではなくカフになっているビームスF別注のドライビングブルゾンを手に入れて以来、今では10着近く所有するほどお気に入りのブランドになりました。ビームスではヴィンテージのモデルをベースにしながらほぼ毎シーズン別注していますが、パターンもシルエットも着心地のよさも、非常に高いレベルでアップデートしてくるアジャストメント力とブレないクオリティの高さには、毎回感心させられます。だからこそ、今もこうして高い人気を誇っているのでしょうね」

西口修平/Shuhei Nishiguchi
ビームスF ディレクター
1977年、大阪府生まれ。大学卒業後にビームスに入社。大阪で販売員としての経験を積んだのち、2011年にアシスタントバイヤーに抜擢され上京。2014年より現職。ビームスFだけに限らず、ブルックス ブラザーズをはじめ、社外のさまざまなブランドのディレクションも行っている。著書に『Nishiguchi’s Closet』『Nishiguchi Essentials 100』。インスタグラムのアカウント@shuhei_nishiguchiは、なんと16万人超えのフォロワー数。

本記事は2025年3月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 63

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