A Picnic with Veuve Clicquot in Fuji, Shizuoka
太陽と風、大地とともに——ヴーヴ・クリコが彩る極上のピクニック
Tuesday, July 1st, 2025
静岡・富士の自然に包まれながら、シャンパーニュ「ヴーヴ・クリコ」とともに過ごす、心躍るひととき。villa aidaの小林寛司シェフによる季節の料理と、豊かな泡が織りなす新しいピクニック体験は、太陽、風、大地と共鳴する至福のライフスタイルそのものでした。
ヴーヴ・クリコほど、太陽の下が似合うシャンパーニュはないでしょう。青い空に、心地よい風、ほんのりと香る木々や芝生。鳥たちのさえずりをBGMに、仲間と料理を囲みながら、キリッと冷えたヴーヴ・クリコを流し込むと、日常が鮮やかに色づく気がします。
1805年、27歳という若さで未亡人となり、その後「ヴーヴ・クリコ」(ヴーヴとは未亡人の意)を世界の一大ブランドへと築き上げた立役者であり、女性起業家の先駆者のひとりとして知られるマダム・クリコ。彼女の名を冠したそのシャンパーニュは、いまも世界中で人々を勇気づけ、食卓を彩り、かけがえのない時間に華やぎを与えています。
そのスピリットを象徴する、同社の取り組みのひとつが、いまフランスとスペイン、そしてアメリカで開催されている「ヴーヴ・クリコ ピクニック」。太陽の恵みと自然を讃えるこのイベントは、18世紀フランスに端を発するピクニック文化を、ヴーヴ・クリコが提唱する「アール・ド・ヴィーヴル(暮らしの美学)」として再構築したものです。
今回、そのローンチを記念して、およそ30年前の1996年5月21日に富士山の麓で開催された「ヴーヴ・クリコ ピクニック」を現代的にアップデートし、サステナブルな要素を取り入れた新たなスタイルとして蘇らせるイベントが2日にわたって開催されました。会場は、富士山を正面に望む雄大なロケーション。約100名のゲストが招かれた特別な一日となりました。
旅は品川駅から始まりました。駅の改札で迎えてくれたのは、ヴーヴ・クリコのロゴと、富士山とピクニックのイラストが描かれたクリコイエローのボードを持ったスタッフ。新幹線に乗り込むとフランスを思わせる音楽が流れ、車内ではシャンパーニュとともに、ピクニックボックスが提供されました。移動さえも特別な時間となる、素晴らしい演出にゲストたちの顔には笑顔が溢れていたのは言うまでもないでしょう。富士駅に到着後、1時間ほど車を走らせると、会場に到着です。
マルシェのような花屋台がゲストを迎え、奥へ進むと、本日の主役となる富士山の目の前に、ピクニック会場が用意されていました。19世紀初頭に創設されたフランスのマニュファクチュール「SOULEIADO(ソレイアード)」の色鮮やかなピクニックラグやテーブルクロスが彩る、腰をかけるだけでもすべての人がハッピーになるようなテーブルで、ピクニックのスタートです。
料理を手がけたのは、多方面で大活躍しているvilla aida(ヴィラアイーダ)のオーナーシェフ小林寛司氏。この日のメニューのテーマは、彼の言葉を借りると「ピクニックスタイルだからこそ、お好みに仕上げて楽しんでいただける」料理でした。その言葉の通り、コースには終始そんな要素が散りばめられていました。コース内のふたつのペアリングをピックアップして詳しくご紹介したいと思います。
villa aida(ヴィラアイーダ)のオーナーシェフ小林寛司氏。
最初に用意されたのは、ブランドを象徴する「ヴーヴ・クリコ イエローラベル マグナム」。こちらに合わせられた料理は「ひよこ豆のスープ」でした。テーブルに並んだのは、バケットで作られた自家製の出来立てクルトンや、オリーブオイル、3種類のスパイスとハーブ。甘味や辛味をプラスし、それぞれが思い思いの好みの味わいのスープを楽しんでいました。
マグナムの味わいは、通常ボトルのそれと違いゆっくりと熟成が進むせいか、フレッシュさ、力強さ、豊かなアロマ、シルクのようななめらかさが、より優れたバランスだったように感じました。そして感動的だったのは、スープとの相性も抜群なのはもちろん、味の変化を楽しみながら、すべての味を受け止め、包み込んでくれるイエローラベルの懐の深さ。ほとんどのゲストがおかわりをしていたと思います。
続いては、ヴーヴ・クリコが誇るプレステージ シャンパーニュ「ヴーヴ・クリコ ラ・グランダム 2018」とカスクルート(フランスのサンドウィッチ)、そしてその次に、同じくプレステージ シャンパーニュとされる「ラ・グランダム ロゼ 2015」が登場しました。こちらのロゼが、これまたすごく美味しくて、ただただ感動していました。グラスに注がれるとともに露になる美しい色彩をはじめ、表情豊かなアロマ、深い余韻、そしてジューシーな果実味に、思わずうっとり。
こちらに合わせられた料理は、「ジャンボン ロティ&初夏野菜のマリネ」でした。巨大なジャンボン(豚の塩漬け。いわゆるハム)の脚を丸ごとグリルし、富士山の目の前で小林氏自ら切り分けてくれるという贅沢な演出もプラスしたせいか、その甘味と塩気が絶妙で、添えられたズッキーニやナス、パプリカの香ばしさと相まって、ロゼ単体で飲むおいしさを、さらに別のレベルへ引き上げてくれました。シャンパーニュの懐深さを再認識させられた一皿でもありました。
さらに、こちらにも味の変化を楽しめるようにと、「マスタード×フロマージュブラン」や「ピクルス×粒マスタード×赤玉ねぎ」のコンディメントが用意されており、「実山椒を添えたキャロットラペ」まで登場。旬の素材の味わいを、最大限楽しめる料理を提供する小林氏ならではの遊び心が、終始ゲストを楽しませていました。
当日会場には、夏木マリさんやRIKACOさん、エリーローズさん、長塚健斗さんや大野拓朗さんなどのセレブリティの姿も。総勢100名のゲストが、ここまで笑顔で楽しんでいるイベントはなかなかないと思います。それぞれが思い思いに、新しいピクニックスタイルを満喫していました。
太陽のもと、富士山を望む場所で、シャンパーニュとともに味わう食と時間。それは、まさに今の気分にぴったりな、人生を豊かに彩るひとときでした。日常を離れ、自然の中で心を解き放つ時間。そんなとき、傍らにヴーヴ・クリコがあるだけで、心はより自由に、豊かになるのでしょう。
筆者 トッキー(時田幸奈)/ Yukina Tokida
THE RAKE日本版のシニアエディター兼ウェブディレクター。
















