The Ritz-carlton Nikko, Lakehouse × villa aida

ザ・リッツ・カールトン日光×小林寛司シェフ 春の新メニューを披露

April 2025

ザ・リッツ・カールトン日光の「レークハウス」が、ガーデンガストロノミーの先駆者として名高いミシュランスターシェフ小林寛司氏を迎えたのは昨年秋のこと。監修するにあたりシェフは、日光の地へ幾度となく足を運び、栃木が誇る食材を最大限に味わえるメニューの創作に取り組んできた。その想いに共感したホテルのカリナリーチームは「Farm to Dining(ファーム トゥー ダイニング)」をコンセプトに掲げ、シェフとワンチームになって旬の味わいを堪能できるメニューを開発。この度、奥日光の大自然の中で春を告げるシーズナルメニューが、満を持して完成した。

 

 

text chiharu honjo

 

 

「villa aida」のオーナーシェフ小林寛司シェフ(中央)と、「ザ・リッツ・カールトン日光」のカリナリーチーム。

 

 

 

 神秘的な中禅寺湖と雄大な男体山を至近に臨む「レークハウス」は、日光国立公園内の奥日光に位置する湖畔のダイニング。この地で育まれた豊かな食材に注目したザ・リッツ・カールトン日光は、一日一組限定の星付きレストラン「villa aida(ヴィラ アイーダ)」のオーナーシェフ 小林寛司(こばやしかんじ)氏とコンサルタント契約を締結し、栃木県産の野菜を主役に旬の味わいを堪能できる、季節ごとのメニューの展開を開始した。

 

 小林シェフは“食材の豊かさとは何か”を教えてくれるシェフである。日々食材と向き合いながら声なき声を聞き、瞬間的な旬を捉え、味わいを際立たせる名人だ。その自由な発想の料理を、自身のレストランだけでなく多くのゲストと共有できたらという想いから、同ホテルのカリナリーチームとタッグを組む決意をしたという。

 

 栃木県は良質な水資源、肥沃な大地、穏やかな気候に恵まれ、地域性豊かな農業が盛んでありながら、まだ広く知られていない魅力的な食材が多い。そこで、農家と野菜をつくるところから始め、体と環境に優しい自然栽培に取り組むことから始めた。その意識はすぐさまカリナリーチームに伝わり、チーム一丸となって栃木の風土を生かすメニュー開発に着手。春の息吹を感じる季節のディナーコース「Season(シーズン) 花風春冷 風土を感じる 春の息吹き」(7品/¥24,000税・サ込)が新たに登場した。

 

 

 

 

 ひと皿目のメニューは「蕗の薹 ケール いろいろ米」。50種類以上ある栃木県産の米から何種類かをブレンドしカリカリに炒めたものに、ケールやふきのとうのかき揚げをのせ、仕上げにケールとチキンコンソメのソースをかけた、鮮やかな緑が印象的なメニュー。今回から、villa aidaで使っている器と同じMORIYAMAの白い器に統一された。乾杯は、「Telmont ʻReserve Roseʼ(テルモン レぜルヴ ロゼ) 2019」のシャンパーニュで。

 

 

 

 

 ふた皿目は「燻製頂鱒 季節野菜」。ほんのりと甘いクレープ生地で、日光のブランドニジマス「頂鱒(イタダキマス)」と、さまざまな種類の野菜の葉や根、花を包むことで、苦みのある生野菜なども食べやすい彩り豊かなサラダ。「Coco Farm & Winery “Pinot Rose”2022(ココファームワイナリー ピノロゼ)」のピノノワールとともに。

 

 

 

 

 3皿目は「菜花 リガトーニ」。まだ雪がのこる奥日光の自然、雪解けをまつ草花をイメージさせる一品。中にリコッタチーズ、菜花などをつめたリガトーニにナツメグ風味のベシャメルソースをかけてグラタン仕立てにした優しい味わい。合わせたイタリアワインは「Arianna Occhipinti “Il Frappato”(アリアンナ オッキピンティ イル・フラッパート)2021」。

 

 

 

 

 4皿目は「人参 蕎麦」。茹でたてのそばの実を下に、クリームチーズ、カリカリにしたそばの実をトッピングしており、そばの衣をまとわせて揚げた人参が堂々と鎮座。最後にスープドポワソンのソースをかけることで香りが立ち上る。スープに使う魚はホテルで使った魚のカマなど料理にはならないが良い出汁がとれるサステナビリティフィッシュを使用。「Ausonia “Machaon” Pecorino Colli Aprutini」(オーソニア マカオン ペコリーノ コッリ・アプルティーニ)2021」のイタリアワインとともに。

 

 

 

 

 5皿目は「サステナブルフィッシュ 葱 根セロリ」。魚の種類を指定せず、その日その時に美味しい魚を使うことでフードロスを減らすメニュー。訪れた日は旬の鯛やイトヨリダイが入荷していた。根セロリ、葱、白ワインとレモンのコンフィを添え、フレッシュチーズに辛子を効かせたソースと焦がしバターをかけた、葱を味わう一皿。ペアリングは「Pascal Jolivet Sancerre(パスカル・ジョリヴェ サンセール)2022」ソーヴィニヨン ブラン。

 

 

 

 

 6皿目の「とちぎ霧降高原牛 大根 干し野菜」。大根ステーキの上に柔らかくジューシーなとちぎ霧降高原牛をのせ、隠し味の日光梅太郎みそとプチヴェールフリットをトップに飾っている。重ねて盛り付けたレイヤーが美しい、大根を美味しく食べるための一品。イタリアの赤ワイン「Bressan Pinot Nero(ブレッサン ピノ ネロ)2015」のピノノワールとともに。

 

 

 

 

 最後は「いちご ビーツ チョコレート」。いちごを他の食材と組み合わせることで、その味わいをさらに際立たせるデザート。今となっては稀少品種の甘酸っぱい女峰をあえて使用したいちごジェラートと、ビーツのジェラート、チョコレート風味のチュイルを合わせ、ローズマリーシロップとカモミールパウダーの香りで調和させた逸品。

 

 新コースは、まだ寒さが残る奥日光で芽吹く春の生命を感じられるメニュー。冬の寒い時期に、カラダがハイカロリーな食事や甘いものを欲して溜めこんだものを、春の野菜を贅沢に使った料理でリフレッシュし、気分をあげて欲しいという願いが込められている。ペアリングは、テロワールやヴィンテージの特徴がストレートに表れている自然派ワインをメインに、シーズナルメニューに合わせたリストに一新した。

 

 ディナー時には小林シェフから、「日本列島では春の足音が聞こえてくるこの時期、奥日光は3月といえど雪がちらつく日もあり、白い吐息が晩冬をより感じさせます。そんな中でも食材はすこしずつ春めいて来ていて、それぞれの野菜の特徴ひとつひとつが一皿のキャンバスを華やかに輝かせます。レークハウスで来たる春への期待を抱き、刻々と季節移ろう景色を眺めながら旬の味わいをご堪能ください」とメッセージが寄せられた。信頼するカリナリーチームとともに変化と成長を楽しむ、シェフの手腕に今後も期待したい。

 

 

ザ・リッツ・カールトン日光

栃木県日光市中宮祠2482

TEL.0288-25-6666

www.ritzcarlton.com/ja/hotels/tyonz-the-ritz-carlton-nikko/overview/

 

 

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