YES WE CAN ‘AS LONG AS YOU HANG TOUGH, YOU WILL SUCCEED’

この難しい時代は、必ず乗り越えられる

April 2021

 

 

耐え忍ぶことが大切

 

 ブランドとしての歴史を表現すべく“アンソロジー・プロジェクト”の準備も進めている。

 

「カナーリの歴史は忍耐の物語です。人生には浮き沈みがありますが、それは私たちも同じです。1930年代初頭、私の祖父が働いていた綿花工場が破綻しました。祖父は無職になってしまったため、仕立て屋の弟と一緒に工房を設立することにしました。それがカナーリの始まりです。ビジネスは好調でしたが、そのうち第二次世界大戦が勃発しました。しかし、彼らは諦めませんでした。ゼロからやりなおし、レインコートやオーバーコートの生産を始めました。しかしそれらも、私の父の代には流行遅れとなり、再びビジネスの再構築を余儀なくされました」

 

「私たちの“アンソロジー・プロジェクト”では、カナーリのそんな歴史を紹介したいと思っています。いろいろとありましたが、ブランドは創立85周年を迎えることができました。われわれが伝えたいのは人を前向きにするメッセージです。あなたがタフである限り、今日直面している困難を必ず乗り越えられるということです。これは私たちの業界にとっても、励みになるはずです。そして、私たちの価値観をストレートに伝えることができます」

 

 

左:軽やかな表情が魅力、100%リネン製のエクリュジャケット ¥215,000/右:汎用性の高さはピカイチ、ウール71%×シルク15%×リネン14%のブラウンジャケット ¥195,000 both by Canali(コロネット Tel.03-5216-6521)

 

 

 

「昨年、私たちは開発してきたふたつのカプセル・コレクションを、独自のラインへと発展させることにしました。私たちはカナーリを3つのセグメントに分け、すべてメイド・イン・イタリーで展開しています。“カナーリ ブラック エディション”は、よりテクニカルな都会の戦士へ。“カナーリ エクスクルーシブ”は、ラグジュアリーで洗練されたコレクション。“カナーリ 1934”は、メンズウェアの定番にひとひねりを加えたものをお探しの方におすすめです」

 

「ファミリーが築いてきた歴史に対して責任を感じます。ブランドのDNAを尊重しながら、アップデートもしていかなければなりません。ブランドとしての一貫性を保つことができないと、既存のお客様を失ってしまい、新しいカスタマーへのアプローチもできなくなってしまいます。そこが難しいところです」

 

「クラシックなテーラーリングがなくなることはあり得ません。われわれが、たとえカジュアルな方向へと進化しても、なくすつもりはありません。カナーリが、スーツ作りに定評があることは、私にとってもお客様にとっても大きなプラスです。テーラーリング自体は永遠に続くものですが、時代には適応していかなければなりません。ドローストリング・トラウザーズやアンコン・ジャケットなどのカジュアルウェアとコーディネイトできることが必要とされるでしょう」

 

 

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