この難しい時代は、必ず乗り越えられる

イタリアのラグジュアリー・ブランド“カナーリ”の社長兼CEOステファノ・カナーリは、厳しい時代に向けて、心強いメッセージを発している。

 

 

text chris cotonou

 

 

 

Stefano Canali／ステファノ・カナーリ

1934年創業、イタリア、ソヴィーコの老舗テーラーリング・ブランド、カナーリ社CEO。NYにて金融セクターで数年間勤務した後、1998年にカナーリに入社。現在はファミリーの3世代目として、1500人の従業員を擁する会社の指揮を執る。複雑に変化する世界において、カナーリ社を躍進させることを使命としている。

 

 

 

“十分な努力をすれば、どんなことにも打ち勝つことができる”

 

　これが、イタリアを代表するラグジュアリー・ブランド“カナーリ”の3代目社長でCEOのステファノ・カナーリが、いつも心に留めている言葉だ。私たちはバスローブ、昼寝、午後2時からのギムレットといった悪習を断ち切る必要がある。

 

　ステファノは時代の岐路に立たされている。現代人のスタイルは、もはや単一のドレスコードによって定義されるものではない。その時々の気分によって、幅広いチョイスが許されるようになった。ステファノは不透明な1年間を経て、スーツやジャケットといったトラディショナル・スタイルが生き残っていくためには、未来を見据える必要があると理解した。

 

　彼は、モチベーションとパッションがある限り（1934年以来、カナーリはその両方を持ち続けていた）、この難しい時代にも適応することができるはずだという。

 

「良いアイデア、固い意志、そして効果的なプロジェクトがあれば、必ず乗り越えられると信じています」と彼は語った。ステファノは、コレクションを3つのセグメントに分けた。どれも同じ人物に提案するものだが、常に変化し続ける欲求やニーズに合うように考えられている。

 

「私たちは何十年も前から存在しているにもかかわらず、いまだ秘密にされている、ダイヤモンドの原石のような存在だと思います」

 

　ステファノはチャレンジを好むジェントルマンだ。確かに変化の風が吹いている。