TOWERS at THE RITZ-CARLTON, TOKYO

本格的なフレンチを気軽に楽しめる
ビストロノミーに進化した「タワーズ」

December 2021

 

 

 

 ザ・リッツ・カールトン東京の45階に位置する「タワーズ」が、コンセプトを一新し、本格的なフランス料理をカジュアルに楽しめる“ビストロノミー”に進化を遂げた。

 

 同フロア隣に位置する、「アジュール フォーティーファイブ」は真っ白のテーブルクロスが配された伝統的かつ、クラシカルなスタイルのフレンチダイニングであるのに対し、こちらのタワーズは、オープンキッチンのライブ感やBGMが心地よい、肩肘張らずにフレンチを堪能できる空間。ディナー、ランチともにコースだけでなく、アラカルトでの注文も可能で、さまざまなシーンで活用できる。

 

 今回のコンセプト一新に伴い、新たに料理長に就任したのは中野 琢治氏。氏は、アルザス地方のストラスブルグに位置するミシュラン3ツ星レストラン「レストランブリュイゼール」にて料理人としてのキャリアをスタート。1998年に帰国すると、東京のフランス料理店にて更なる経験を積み、その後再び渡仏。その後約5年間にわたり、パリの4軒のレストランで修行を重ねてきた。2004年以降は、ザ・リッツ・カールトン大阪のメインダイニングであるフランス料理「ラ・ベ」にてクリストフ・ジベール氏に従事し、直近の10年間は副料理長として活躍したという経歴の持ち主。今回の新たなコンセプトについて、氏はこのように語っている。

 

「私は、タワーズを日本一のビストロノミーにするという目標を掲げ、料理長に着任しました。そのためにはレストランを愛し、情熱をかけるチーム作りがなにより不可欠と考えています。自身がこよなく愛し、今でも学び続けているフランス料理の素晴らしさをより多くのお客様にお伝えすることが私の希望です。私のフランス料理の王道探求や味への深い追及は永遠に止まることはありません。新たに生まれ変わるタワーズでは、フランス料理の伝統的な技法を踏襲しつつ、食材のハーモニーを大切にしたシンプルな料理の数々をご提供したいと考えています。チームが一丸となって作り上げる料理にご期待ください」

 

 

 

タワーズ料理長 中野 琢治氏。

 

 

 

 すでに多くのファンを持つメニューの中でも、今回はこの冬に食すべき3品を紹介したいと思う。いずれもプレゼンテーションこそシンプルだが、それを可能にするのは、その裏に徹底した下準備、そしてシェフの確かな腕があるから。使用する食材もひとつの産地にこだわることなく、その時期にどこが一番旬なのかという点に重きを置いて選ばれている。

 

 まずは鴨や豚など季節の肉類をベースに作ったテリーヌをパイ生地に包んで焼き上げる伝統的なフランス料理「パテ アン クルート」。香ばしく焼かれたサクサクの生地と、しっとりとしたテリーヌのコンビネーションが絶妙な一品だ。

 

 コンディメントとして添えられているのは季節のフレッシュフルーツ、ラズベリーのジュレ、そして粒マスタードがアクセントになったエシャロットの3種類。いろいろなコンディメントの組み合わせで異なる味わいを楽しんでいるうちに、あっという間に平らげてしまうだろう。

 

 

 

「パテ アン クルート」。意外な組み合わせに思えるフレッシュフルーツも驚くほどに相性ばっちり。

 

 

 

 次は、トリュフが散りばめられたベシャメルソースに、目の前で根セロリのスープを加えてくれる「根セロリのヴルーテ トリュフの香り」。思わずおかわりしたくなるような、優しい味わいの温かいスープだ。フランスの冬の定番食材だという根セロリの繊細な香りとコクがありながらも、ふんわりと軽くなめらかな舌触りは、食べ始めると手が止まらなくなるほど虜になってしまう。

 

 

 

「根セロリのヴルーテ トリュフの香り」。運ばれてきた瞬間に広がるトリュフの香りに思わずうっとり。

 

 

 

 そして3つ目は、「鱈のポワレ」。朝、一本釣りしたあとに、船上で活け締めがおこなわれ、昼には同ダイニングまで輸送される新鮮な鱈を使用。旨味の強い白ワインソースにオリーブオイルやディルを重ねた味付けに、甘味のあるインカのめざめのペースト、そして揚げ焼きした芽キャベツを添えた一品。カリッとグリルされた皮目とふわっとした身、ハーブが香るソースや付け合わせ、すべてのバランスが絶妙だ。

 

 ちなみにこれらの料理を引き立てるワインは銘醸地にスポットを当てたもの。ソムリエがひとつひとつの料理に合わせてグラスワインをセレクトしてくれるペアリングも用意されている。ほぼ毎月セレクションは変わり、フランスを旅するようにワインを楽しめる。

 

 

 

「鱈のポワレ」は、芽キャベツや鱈の皮目の香ばしさ、ふんわりした身、インカのめざめの甘み、そしてソース、そのすべてが抜群のコンビネーション。

 

 

 

 ご紹介した3品の他にも、ホタテに西洋ワサビと出汁やすだちを合わせた「帆立貝のマリネ スダチ風味」や百合根を添えたシャラン鴨に肝ソースと黒ニンニク、トリュフを合わせた「鴨肉のロースト」など、食材ひとつ一つの味わいや食感をきちんと感じられると同時に、斬新な組み合わせでありながらも、すべてが見事なバランスでマリアージュする絶品ばかり。

 

 厳選された素材の魅力や個性のすべてを余すことなく、そしてそれらをさらに高めた料理を堪能できるのは、中野氏による細やかな計算、そして技があってこそ。窓の外に広がる東京の景色や煌めく夜景に囲まれて、ここでしか味わえないビストノロミーを堪能する時間は、日常の喧騒を忘れさせてくれるだろう。またひとつ、通いたくなるダイニングがホテルに誕生した。

 

 

 

ザ・リッツ・カールトン東京 45階 ビストロノミー「タワーズ」

TEL.03-6434-8711(レストラン予約 10:00~21:00)

オンライン予約:www.tablecheck.com/ja/shops/ritzcarlton-tokyo-towers/reserve