AUCTION REPORT Vol.1

オークションレポートVol.1
クリスティーズのロジャー・フェデラー コレクション

August 2022

世界各国で開催されているオークションの結果をお届けする連載がスタート。

記念すべき第1回は、あのテニスプレイヤー、ロジャー・フェデラー氏が数々の大会で実際に着用・使用したアイテムが出品されたチャリティオークションをレポート!

 

 

photography Christie’s Images Limited 2021

 

 

ライブオークション中、ロジャー・フェデラ―氏と会話をするクリスティーズのグローバル・プレジデント、ユッシ・ピルカネン氏。

 

 

 

 連載「AUCTION REPORT」の記念すべき第1回では、1766年創業の世界で最も長い歴史を誇るオークションハウス「クリスティーズ」が、2021年7月に開催したチャリティオークションを取り上げたい。

 

 出品されたのは、かの有名なテニス選手ロジャー・フェデラー氏のコレクション。シドニーオリンピックから2021年まで数々の大会で優勝したフェデラー氏が、実際に大会で着用・使用した、ファン垂涎のアイテム300点がラインナップされた。オークションは、ライブ形式とパソコンやスマートフォン経由で参加するオンライン形式の2タイプで開催され、すべてのアイテムが落札されるという大盛況のうちに幕を閉じた。

 

 6大陸44カ国から参加者が集い、ライブオークションで1,329,375ポンド(約2億1000万円)、オンラインオークションで3,429,125ポンド(約5億3000万円)という予想の3倍を上回る売上を記録。なかでも、オンラインオークションに出品された、2019年のウィンブルドン選手権で使用されたラケット3本は、162,500ポンド(約2500万円)という予想落札価格下値の23倍もの金額で落札された。すべての売上は、ロジャー・フェデラー財団を通じてアフリカと母国スイスの子供たちに早期教育のための資金として寄付された。

 

 コロナ禍を経てオークションのオンライン化が加速している今、クリスティーズでは、2021年の総売上高がコロナ前を上回っただけでなく、過去5年間の売上最高額を達成するなど、同業界はかつてないほどに活況を呈している。オークションの世界は、今後ますます身近な存在になっていくだろう。

 

 

左:2009年の全仏オープンで優勝した際のユニフォーム。75,000ポンド(約1200万円)で落札。右:2007年のウィンブルドン選手権でナダルとの3時間45分もの激闘を制した際に身に着けていたユニフォーム一式。187,500ポンド(約3000万円)の最高落札額を記録。

 

左:18,750ポンド(約300万円)で落札された2005年の全米オープンで着用したシューズ。右:8,125ポンド(約130万円)で落札された、2017年のウィンブルドン選手権で着用していたバンダナ。

 

左:2019年のウィンブルドン選手権で使用されたラケット3本。162,500ポンド(約2500万円)で落札。オンラインオークションでの最高落札額。右:2005年のウィンブルドン選手権で優勝した際に着用したユニフォームとシューズ。落札価格は22,500ポンド(約350万円)。

 

2009年のウィンブルドン選手権で、アンディ・ロディックとの戦いを制した際に着用していたベルトは、15,000ポンド(約230万円)で落札。