HOW to WEAR, HOW to ENJOY!
鴨志田流着こなし術 Vol.9
大注目アイテム“ワイドトラウザーズ”を楽しもう!
May 2021
トラウザーズの流れに大きな変化が起きている。
今はまさに大きな渦が起こり始めたところ。
ひと足早く目をつけるなら、断然ワイドトラウザーズだ。
photography tatsuya ozawa
text yuko fujita
鴨志田康人/Yasuto Kamoshita
1957年生まれ。ビームスを経て1989年、ユナイテッドアローズの設立に参画。2004年からクリエイティブ ディレクター、2018年よりクリエイティブ アドバイザー。自身のブランド「カモシタ ユナイテッドアローズ」では、今季はグラミチとコラボレーションしている。2019年より、ポール・スチュアートの日本のクリエイティブ ディレクターも務める。
80年代のNYトラッドを
アップデートした装い
ハバーサックのリネン混ジャージージャケット、アランフラッサーのコットンベスト、ユナイテッドアローズのバンドカラーシャツ、セラードアーのワイドトラウザーズ、カルミーナのビットモカシンという合わせ。「私が経験したリアルなところではワイドトラウザーズは1980年代のニューヨークトラッドで、そのルーツは1920~30年代のブリティッシュスタイルだったんですけど、それを体現したイギリスの映画『BRIDESHEAD REVISITED(邦題:情愛と友情)』の世界をアップデートさせたスタイリングです」。鴨志田氏の着用アイテム property of Yasuto Kamoshita
今、ワイドトラウザーズがとても新鮮に映るという。鴨志田氏は1970年代後半からのニューヨークトラッドでワイドトラウザーズを経験している。今はそれをアップデートさせたスタイルで楽しむこともあれば、それを切り離して今の雰囲気が出せるトラウザーズとして楽しむこともあるとのこと。きっかけは3年ほど前に出合ったセラードアー。トラウザーズメーカーでそれを見たのが久しぶりで、感性が大いに揺さぶられたそうだ。
「ワイドトラウザーズを楽しむ際は、上はコンパクトに短くするのが自分には合っていると思います。裾はワンブレイクさせますが、シングル、ダブルは好みでいいと思います。ダブルの折り返し幅は3.8cm~4cmくらいの軽めが好きですね」
“トップスはショート丈でコンパクトに”
(左)無地が主流だからこそ
チェックのトラウザーズ
古着のレザーブルゾンとストール、ヴァレットのTシャツ、セラードアーのタッターソールチェックのシルクトラウザーズ、ユケテンのモカシンというコーディネイト。「蚤の市を歩いているオヤジというか、ちょっと間違えるとやばいチェック柄が今の気分かな(笑)。無地ライクな装いが主流の今、それに対する飽きがあるので、パンツやスカーフなどで、積極的に柄を取り入れています。靴は80年代の定番の足元。当時はこれにネイビーブレザーとチノパンが主流でした」。Tシャツ¥7,000 Valet / United Arrows Roppongi Hills その他の着用アイテム property of Yasuto Kamoshita
(右)ワイドトラウザーズの
トップスは短丈&コンパクト
バブアーの「スペイ」ジャケット、オーラリーのショートスリーブシャツ、セラードアーのウールトラウザーズ、ベンソンシューズのエスパドリーユという合わせ。「バブアーは何着か所有していますが、ワイドトラウザーズのときは丈の短いこのモデルを合わせています。オーラリーのボーダーのシャツは50年代っぽいデザインソースとして。ウールの地味なチェックパンツはノスタルジックな感じがおじいちゃんのようなパンツのコーディネイション風で新鮮かなと(笑)」。シャツ¥30,000 Auralee /United Arrows Roppongi Hills その他の着用アイテム property of Yasuto Kamoshita
今らしいシンプルな装いも
ワイドトラウザーズで新鮮に
ソブリンのニットジャケット、ジョン スメドレーの半袖ニット、ベルナール ザンスのトラウザーズ、レペットのシューズという合わせ。「今の装いで楽しみたい方にオススメのスタイリングです。これにテーパードパンツを合わせてしまうと、自分の中では古臭く感じてしまう。華奢な靴を合わせるのが好きですが、オールデンのローファーでもスニーカーでもいいと思います」。ニット¥28,000 John Smedley / United Arrows Roppongi Hills トラウザーズ¥35,000 Bernard Zins for United Arrows/ United Arrows Marunouchi その他の着用アイテム property of Yasuto Kamoshita
<本連載の過去記事は以下より>
本記事は2021年3月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。
THE RAKE JAPAN EDITION issue39