MONTBLANC “Meisterstück 149”
不動の定番にして最高峰
November 2022
photography jun udagawa
ドイツ語で「傑作(マスターピース)」という意味を持つ「マイスターシュテュック」。製造番号「149」を冠したこのモデルは1952年に誕生。カルト的な人気を得て瞬く間にステイタスシンボルとなる。熟練の職人によって100を超える製造工程を経て完成する造形美が評価され、ニューヨーク近代美術館の永久展示品として殿堂入りを果たす。キャップトップには欧州最高峰モンブランの山頂の氷河を図案化したブランドのシンボルマーク、18Kのペン先にはモンブランの標高を表す「4810」の刻印が施されている。「モンブラン マイスターシュテュック 149」¥126,500
生地やディテールにこだわるクラシックなテーラードスーツ、あるいは世代を超えて動き続ける機械式時計を愛してやまない読者諸兄であれば、きっと共感されるに違いない。美しい曲線のフォルムとクラシックな佇まい、握ったときの安定感、ペン先の返しで変化する線の太さ、紙と擦れる感覚とリズム―。万年筆というアイテムと、それを扱う繊細な時間に、そこはかとないロマンと魅力を感じてしまう。
万年筆でまずひとつをINVESTするのならば、不動の定番にして世界最高峰といえる、モンブランのこちらしか思い浮かばない。1952年に誕生した「149」は、マイスターシュテュックコレクションの中でも、黄金比とも称えられる絶妙な心地よさを伴う太さとサイズを持った、“マスターピース”。条約の調印式や各国王室の結婚式など、世界のさまざまな歴史的瞬間にも使用され、ジョン・F・ケネディ、さらに三島由紀夫や開高健らにも愛用されたことで知られる。
誕生から70年、書くという機会が減った現代においてもなお、世界の紳士を魅了し続ける名品中の名品である。