MONTBLANC “Bespoke Nib Service”

【モンブランのビスポークニブサービス】ペン先までビスポークするという愉悦

March 2024

 

ペン先のカスタマイズの例。ルビーなど宝石をあしらえるほか、十二星座や干支、動物や植物のモチーフ、定番のイニシャル、フリーハンドで描いたものなどの刻印が可能。ちなみにデフォルトで刻まれる「4810」は、モンブラン山の標高。最高峰の技術力を象徴する数字だ。

 

 

 

 THE RAKE読者ならビスポークの歓びを熟知しているだろう。文字通り、信頼のおける職人との対話から生まれる唯一無二の付加価値。近年それはトレンドという枠を超え、高揚感を求める人々のモノ選びにおいて当然となりつつある。

 

 モンブランが「ビスポークニブ」の内容を拡充させ刷新した。これはマイスターシュテュック万年筆のペン先をオーダーできるというもので、日本では銀座本店のみのサービス。事前予約が必要だ。

 

 店舗ではモンブランのスペシャリストと1体1で対話し、アドバイスが受けられる。万年筆の愛用歴や好みの書き味、用途などをヒヤリングした上で、筆の持ち方や姿勢、動きの速さ、癖などを分析。それらを考慮しつつ、実際にさまざまなペン先の書き味を確かめながら好みを探っていく。書き手の個性と、ペン先の形状の特性をマッチングさせるというわけだ。

 

 16種類のニブまたは8種類の太さの中から好みのペン先を選んだら、美観のカスタマイズに進む。ペン先のコーティングカラーや、宝石の追加、文字やシンボルなどの刻印が可能。タブレットによるシミュレーションで、確認しながら考えることができる。この悩む時間こそが楽しい。

 

 スーツをオーダーしたら着る機会をつくりたくなる。クルマを買ったらどこかに出かけたくなる。それと同じように、ペン先をオーダーすれば、きっと何か書きたくなる。ペン先をオーダーすることは手書き文化を再考するということ。きっとこの上ない愉悦に浸れるに違いない。

 

 

形状の異なるペン先。

 

 

さまざまなペン先が収納された専用のボックス。

 

 

シミュレーション画面とテスト書きイメージ。納品は約3カ月〜。万年筆本体を含むオーダー価格は¥139,700〜580,800。宝石あり・エングレービングあり・特殊ニブ選択の場合、¥414,700〜(オーダー参考価格) Montblanc