Marriott Bonvoy Moments in Singapore

「Marriott Bonvoy Moments」で、シャンパンを片手にF1シンガポールグランプリを観戦してきた!

November 2022

text AYA HASEGAWA

 

 

世界屈指のホテルチェーン、マリオット・インターナショナルによるメンバーシップ制度「Marriott Bonvoy」で溜まったポイントと交換できるプログラムが、最高にラグジュアリーだ。今回は多彩なプログラムのなかのひとつ「F1シンガポールグランプリパッケージ」を、旅ライター(かつ、大のシャンパーニュラバーである)長谷川あやがレポートする。

 

 

 

 

 

 

 9月の終わりから10月の始めにかけて行われた、F1シンガポールグランプリをシャンパーニュを飲みながら観戦した。筆者の人生における、非日常ランキングのベスト10入り間違いなしの、ラグジュアリーな体験だった。

 

 こちらは、「Marriott Bonvoy(マリオット ボンヴォイ)」のポイントで交換できる体験プログラム「Marriott Bonvoy Moments」の一環。F1シンガポールグランプリのVIPエリアへのアクセスやチームスタッフとの交流会、パドック場外でのイベントや「ザ・リッツ・カールトン・ミレニア・シンガポール」での宿泊がパッケージになった、体験プログラムに参加する機会を得たのである。

 

 

今回、宿泊した、「ザ・リッツ・カールトン・ミレニア・シンガポール」の窓からの風景。一部の客室からはコースを臨むことができる。

 

 

 

 今さら説明するまでもないかもしれないが、「Marriott Bonvoy」とは、現在、世界139カ国・地域で約8100軒以上のホテルやリゾート施設を手がける、世界屈指のホテルチェーン、マリオット・インターナショナルによる会員プログラムのこと。

 

 ホテルや航空会社はもとより、ドラッグストアやスーパー、レストランも独自のポイント制度を持っていたりする時代だ。がさつな筆者は、まったく管理しきれていない。小さなポイントなんぞに構っている余裕はないのだ(きりっ)。しかし、世界をまたにかけるマリオット・インターナショナルの特典プログラムはスケールが違う。貯めたポイントは、宿泊やレストランやバーでの利用はもちろん、ライフスタイル、エンターテインメント、スポーツといった、「Marriott Bonvoy」がセレクトした、スペシャルな“体験”にも交換できる。今回のF1シンガポールグランプリの観戦もそのひとつというわけだ。

 

 

レース期間中、部屋に置かれていたチョコレート。……あがる!

 

 

 

 一例を挙げると、グラミー賞受賞歴を持つグウェン・ステファニーとの会員限定ファンミーティング、元オリンピック代表選手・王楠による卓球トレーニング、「アートセントラル香港」でのアート体験などなど、「Marriott Bonvoy」のポイントで交換できる体験は百花繚乱だ。お金では買えない“体験”も少なくない。

 

 数年前にさかのぼるが、7人制ラグビーの国際大会「香港セブンズ」を観戦したことがある。通常のラグビーが15人で行われるのに対して約半数の7人で行われる7人制ラグビーの試合時間は約7〜10分。転換が早く、「ルールもよくわからないし、飽きちゃうかも~」なんて心配は杞憂だった。なんといっても、「Marriott Bonvoy ホスピタリティ スイート」と名付けられた、VIPラウンジでの観戦である。楽しくないはずはない。アルコールを含む飲食はもちろん、フェイスペイントを楽しみ、また、マッサージまであった。今思い返しても、あの日の筆者は貴族だった(笑)。また、そんな貴族体験がまたできるなんて! そんなわけで、2022年9月30日から10月2日にかけて行われた、F1シンガポールグランプリの観戦を目的に、シンガポールに飛んだ。

 

 

パドッククラブの窓越しに筆者がiPhone11で撮影したもの。どれほど好立地で観戦できるかおわかりいただけるだろうか。

 

 

 

 まず、シンガポールグランプリについて簡単に紹介しよう。シンガポールグランプリは、年間全23戦で争われるF1グランプリシリーズの中のひとつで、レースは、F1グランプリシリーズのなかでも、数少ない市街地コース(「マリーナベイ・ストリート・サーキット」と名付けられている)で行われる。さらに、ナイトレースというのも希少だ(なぜナイトレースかというと、昼間は暑いから!)。

 

 

 

シンガポールの市街地の公道サーキット「マリーナベイ・ストリート・サーキット」。2008年に、F1史上初のナイトタイムレースが行われたサーキットとしても知られている。コース全長は5.063km、コーナー数は23。

 

 

 

 ちなみに、パドックとは、F1チームのピットの裏にある運営関係者・チーム関係者のスペースのことで、チームのトランスポーターやモーターホームなどが置かれている。通常、一般のゲストは立ち寄ることができないスペースだが、パドックパスを手にすることで入場が許される。

 

 また、パドックパスを手にすると、それぞれのF1チームが、ピット上の建物に設けたVIPラウンジに入ることができる。これがパドッククラブだ。選ばれし者のみが入ることできる、航空会社やホテルのラウンジをイメージしてもらえばわかりやすいだろう。パドッククラブでは、航空会社やホテルのラウンジ同様、アルコールや食事がサーブされる。通常、主催者の、また、主催者がスポンサードするチームのピットの真上に位置しており、ホームストレートを疾走するマシンやピットワークを間近でみることができるのが特徴だ。

 

 

モーターレース好きの友人は、「ちょ、なんでお前がそんなにいい思いをするんだ!」と憤慨していた、ファン垂涎のパドックパス。

 

 

 

 そのプラチナチケットだが、レースの場所や主催者によって価格は異なるが、10月に行われた日本グランプリの場合、3日間(F1のレースは3日間にわたって行われる)の通しパスで60万円強。今回のシンガポールグランプリの場合、100万円近い値段だったという。

 

 

パドッククラブは、限られたゲストだけが足を踏み入れることを許されているエリア。F1レースを最も近い場所で、また豪華なおもてなしを受けながら観戦できる、文字どおりエクスクルーシブな空間だ。

 

 

 

 さて、今回のプログラムでは、メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チームが運営する「ザ・リッツ・カールトン シルバーアロー・ラウンジ」に入場できる。メルセデス-AMG・ペトロナスF1チームは、サーキットまで徒歩圏内の「ザ・リッツ・カールトン・ミレニア・シンガポール」を公式パートナーとしているのだ。

 

 肝心のプラチナチケットは、恭しい化粧箱に入ってお出ましになった。チケット自体も、プラスチック製の磁気カードに、金属製の留め具と布製のストラップが付いた豪華仕様。手にした瞬間、「要はコレ、シャンパーニュのフリーフローチケットでもあるのよね(笑)」と、テンションはマックス状態である。それにしても、シャンパーニュを飲みながら、レースを楽しめるのって、どれだけセレブなのか! さらにはドライバーがパドッククラブを訪れたり、お土産が用意されていたりと、それぞれの主催者の趣向を凝らしたおもてなしも楽しい。好奇心でついほかのラウンジものぞきたくなったが我慢した(そもそもパスがなければいれてもらえない)。

 

 

ピットウォークではこれほどの至近距離でピット内での作業を見ることができる。

 

 

 

 筆者は土曜日の予選の日にパドッククラブに潜入した。21時からの予選がスタートする前は、ピットウォークに参加。これも、パドッククラブパス所持者に向けたサービスの一環だ。関係者が行き交うピットを歩き、ピットに近づき、中で行われている作業風景を間近で見ることができる。大人の社会科見学的な楽しさに満たされるとともに、「レースの直前まで、スポンサーやファンに向けたサービスをしなきゃなんだ。F1チームのスタッフも大変だなあ」なんて思ったりもした(笑)。

 

 

 

ニック・デ・フリース選手。この数週間後、2023年度、アルファタウリでF1フル参戦することが発表された。

 

 

 

 その後、パドッククラブに戻り、すでに何杯目か数えられなくなっているシャンパーニュを飲みつつ、予選開始を待っていると、育成ドライバーのニック・デ・フリース選手がパドッククラブにやってきた。デ・フリース選手は、今年9月のイタリアグランプリで、代役のスポット出走でウイリアムズにてF1デビューを果たし、来季はアルファタウリでF1フル参戦を果たすことが決まっている注目のドライバーだ。──というのは、あとで、F1ファンから得た情報(笑)。彼がパドッククラブに入ってきた時は、正直、誰だかわからなかったが、途端に華やいだ雰囲気になったので、「コイツ、ただものじゃない!」と、F1ファンの友人に彼の写真を送り、「誰?」と聞いた次第だ(笑)。ちなみに、決勝当日は、エースドライバーのルイス・ハミルトン選手と、若手注目株のジョージ・ラッセル選手が「ザ・リッツ・カールトン シルバーアロー・ラウンジ」に姿を現し、ゲストを迎えたという(後で聞いた)。

 

 予選は21時にスタートした。窓越しにレースを凝視している人、室内モニターにかじりついている人、エキゾーストノート(エンジンのマフラーから発せられる排気音)をBGMにレースそっちのけで食べに走っている人など、みな思い思いの時間を過ごしているのが興味深い。МCも入り、ゲストを盛り上げる。

 

 筆者はまずはグラスを片手に窓越しで観戦。マシンがテールランプを光らせながらピットレーンからコースに出ていくカッコよさに思わず見惚れてしまう。もう1杯、シャンパーニュをいただくとしよう。しばらくして、パドッククラブの外に出て、エキゾーストノートを生で聞いてみることにした。コースからは遠いが、遠い向こうにマシンが放つ光が見える。なんたる非日常!

 

 1時間の予選はあっという間に終わり、高揚した気持ちを両手に抱きかかえながらホテルへと戻る。その後も、サーキットでは、音楽ライブも行われていたようだが、ホテルでゆっくりバスに浸かることにした。しかし、米パンクロックバンド、グリーン・デイ(Green Day)がライブを行っていたことを翌日に知る。見ればよかった!

 

 

 

つい見入ってしまった、レース後の空のドローンショー。

 

 

 

 ホテルへの帰路、空で繰り広げられた、ドローンショーも、「お見事!」の一言だったし、灯かりの落ちたサーキットを眼下に臨みながらの入浴は控えめに言っても最高だった。ちなみに、日曜の夜に行われた決勝は、ビールを買い込み、ホテルのバスルームから観戦したことも付け加えておきたい。

 

 

予選レース前日には、「ザ・リッツ・カールトン・シンガポール」で、パネルディスカッションが行われた。セッションには、マリオット・インターナショナルのアジア太平洋(中華圏を除く)プレジデントのラジーヴ・メノンがメルセデス-AMG・ペトロナスF1チーム代表兼最高経営責任者のトト・ヴォルフ、ならびに最高技術責任者のジェームズ・アリソンが参加。プレッシャーのなか、いかに高いパフォーマンスを見せるか、組織のトップのマネージメント術についてなど、ゲストが、日常生活に取り入れられそうなトピックスも多く、なかなか興味深いものだった。

 

今回、宿泊した、「ザ・リッツ・カールトン・ミレニア・シンガポール」の窓から見えた風景、夜ヴァージョン。レース期間中は、ベッドサイドに耳栓が置かれていた。たしかにかなりの轟音だ。が、この滞在中はせっかくならどっぷりF1の世界に浸ろうと耳栓を使うことはなかった。

 

 

 

 とびきりのエクスクルーシブ体験を楽しんだ、「Marriott Bonvoy」のF1シンガポールグランプリパッケージ。こちらに参加のために必要な、Marriott Bonvoyポイントは1,250万ポイントだ。ちなみに、このポイント数があれば、ザ・リッツ・カールトン・モルディブファリアイランズの宿泊、100泊(!)分以上に交換できると聞き、度肝を抜かれた。そうか、そうなのか、まあそうだよな……。そう、決して簡単に溜まるポイント数じゃない。しかし、生涯の記憶に残る、プライスレスな体験と引き換えることができるポイントプログラムは、酸いも甘いも知り尽くした大人にとって、とびきりエンターテインメントではないだろうか。なにより、こんな“お遊び”ができる大人でありたいと無想したりもする。

 

 

レース期間中、メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チームのオフィシャルパートナーホテルである、「ザ・リッツ・カールトン・ミレニア・シンガポール」のエントランスに展示されていた、メルセデス-AMG・ペトロナスの象徴的なラッピングカー。

 

 

Marriott Bonvoy

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