CHINESE RESTAURANT “CHUGOKUSAI S.SAWADA NISHIAZABU”

開業2周年を祝す100食限りの特別コースで
贅を尽くしたスペシャリテを堪能

July 2022

text chiharu honjo

 

 

 

 

 

 2016年に開業後、わずか一年足らずでミシュラン一つ星を獲得し、その後も5年連続受賞している「中国菜 エスサワダ」。看板メニューのクリスピーチキンや旬の食材を使った冷製ビーフンはそれまでの中国料理の概念を覆す料理として注目を集め、今もそれを目当てに訪れる客が後を絶たない。

 

 澤田州平氏が総料理長として携わる西麻布店がオープンしたのは2020年のこと。香港「福臨門酒家」や国内有数のレストランで腕を磨いた澤田シェフの中国料理を東京で味わえると話題になった同店にて、開業2周年を記念した特別コースが7月15日から100食限定で登場した。滋味あふれる様々な高級食材を10日以上かけて完成させるスープ「仏跳醬(ファッティウチョン)」と、エスサワダを代表するメニューの数々が織り成す、夢のコースが実現した。

 

 

 


雲丹の冷製ビーフン。

 

 旬の食材で季節を感じる、エスサワダの代表的な前菜。2周年記念特別コースでは、雲丹と卵黄を混ぜ合わせたソースにしっかりと冷やしたビーフンを和え、涼やかな一皿に仕上げている。トップにあしらったブラックペッパーとサマートリュフが、クリーミーなソースによく合う。

 


仏跳醬(ファッティウチョン)。

 

 

 今回、西麻布店に初登場した「仏跳醬」は、“あまりにも美味しそうな香りに修行僧でさえ壁を飛び越えてくる”という由来から名付けられた料理。厳選した上質な乾物、干しアワビ、フカヒレ、ナマコ、干し貝柱、夏草花、花椎茸、クコの実に加え、白菜、すっぽん、烏骨鶏、金華ハムなど11種類の食材を約10日以上かけ丁寧に仕込み、陶器の壺で蒸すことによって、旨味と栄養が凝縮された「仏跳醬」がようやく完成する。蓋を開けた瞬間に、様々なエキスが濃厚に絡み合うスープの香りが立ち昇り、濃厚なのに後味は上品で、疲れた体を癒してくれる滋味あふれた一品だ。

 

 


クリスピーチキン。

 

 

 エスサワダを象徴するスペシャリテ「クリスピーチキン」は、名古屋コーチン一羽に熱した油を柄杓で100回ほど丁寧にかけて、飴色のパリパリの皮になるまで仕上げたこだわりの逸品。しっとりとした肉の旨味と香ばしい皮が絶妙な食感で、天ぷらを様々な塩で食べるように7種類の薬味(セロリ塩、五香粉、山椒、豆板醤、赤酢の大根おろし、わさび、レモン)とともに味の変化を楽しみながらいただける。

 

 


フカヒレ土鍋ご飯。

 

 

 コースの締めは、絶品のフカヒレ土鍋ご飯。鶏、鴨、鶏もみじ、手羽先、長ネギ、生姜を水で2日間かけて煮詰めた白湯、コラーゲン湯、清湯、毛湯の4種類のスープをバランスよく合わせ、コクがありながらもさっぱりしたスープに仕上げている。特製白湯スープで煮込んだ福建フカヒレを、おこげのある土鍋ご飯に一気にかける様子は圧巻。熱々のままスープを含んだ極上のフカヒレとともに堪能できる。

 

 ほかにも、夏らしい鮎を頭から尾まで余すことなく味わえる「鮎の春巻き」、香り高い朝天唐辛子と赤唐辛子を贅沢に使った「和牛のスパイシー炒め」、脂のりが良い旬の白身魚を蒸した「季節の鮮魚」、クッキー生地に五香粉を練り込みオリエンタルな味に仕上げた「山椒のバスクチーズケーキ」といった美食がコースにラインナップ。エスサワダの真骨頂ともいえる渾身の料理をとくとご堪能あれ。