mesm Tokyo, Autograph Collection

人々の心を豊かにする
圧倒的にユニークな「メズム東京」

September 2021

 2020年4月、東京・竹芝にホテル「メズム東京」が誕生した。ホテルが位置するのは、タワー棟とシアター棟のふたつからなる複合施設「ウォーターズ竹芝」のタワー棟16〜26階。シアター棟には劇団四季の劇場が入っており、“つぎの豊かさを生み出すまち”として、いま注目されているエリアだ。

 

 “つぎの豊かさを生み出すまち”……その大きな一端を担っているのが、今回ご紹介する「メズム東京」だ。同ホテルは、JR東日本グループの日本ホテル株式会社とマリオット・インターナショナルが初提携して誕生した、東京発、世界でひとつだけのラグジュアリーホテル。外資が運営するラグジュアリーホテルともひと味違い、他では体験できないような食、滞在、空間、そしてサービスがここにはある。ホテルのテーマは「TOKYO WAVES」。躍動する東京の「波長」と共鳴するかのように、クールで新しいサービスやコンテンツで、五感を魅了する時間と空間が導くイノベーティブな場所を追求している。その詳細を見ていこう。

 

 

 

 

 まず人々の目を引くのは、迎えてくれるタレント(ホテルスタッフ)の姿だろう。彼らが身に纏っているのは、ヨウジヤマモト社のコレクションラインのひとつであり、メンズパターンをジェンダーレスに表現する「Y’s BANG ON!」とのコラボレーションで生まれたユニフォーム。黒一色のなかにも、細やかなディテールが窺える。さらに、プロのヘアメイクアーティストによる監修で、一人一人に合うモードスタイルのヘア・メイク方法をも学んでおり、個性を生かしつつも、ユニークなホテルの世界観をひとりひとりが体現している。

 

 

 

天井高約9メートルを誇る開放感たっぷりのロビー。

 

 

 

 16階に位置するロビーにも、多くのこだわりが隠れている。目の前を遮るものがないオーシャンフロントの立地を生かした設えにより、目に飛び込んでくるのは、床から天井まで目一杯に設えられた大きなガラス窓の外に広がる穏やかな隅田川と緑豊かな浜離宮恩賜庭園。この場所に足を踏み入れた瞬間に都会の喧騒を忘れさせてくれる。

 

 

 

支配人の生沼久(おいぬま ひさし)氏。

 

 

 空間に配されたインテリアや家具も、すべてが特注品。ポンパドールヘアが目を惹く支配人の生沼久氏自ら座り心地にまでこだわり、海外の現地工場まで確認に赴いたほど。目ではもちろん、触れてわかるその上質さは、人々の五感に豊かさをもたらしてくれる。

 

 さらに、心地よく香るホテルオリジナルのフレグランスもこだわりのひとつ。フレグランスプロデューサーの石坂将氏とのコラボレーションで誕生したもので、東京の春夏と秋冬をイメージした2種類の香りが、季節の移り変わりに合わせて空間を優しく包み込んでいる。

 

 ここは、昼にはコーヒーやランチ、夜にはカクテルや軽食を楽しめるバー&ラウンジもあり、宿泊者でなくとも快適に利用できるようにと、電源設備も非常に充実している。生沼氏が「ここに来ると自然とインスピレーションが湧くと言ってくださるお客様がたくさんいるんです」と言うように、心地よい音楽が流れ、いい香り、そしてなんといってもいい気が流れているこの空間だったら、仕事も随分と捗りそうだ。

 

 

 

 

 

 

 さりげなく耳に心地よい音楽、というのにも実は理由がある。それは生沼氏がこだわり抜いて見つけたヤマハの高性能スピーカーが設置されているから。ホテルのロビーにここまで高性能の音響設備が導入されているのは、とても珍しいんだとか。

 

 時間帯に合わせて音楽は変わり、夜になると、グランドピアノでのライブ演奏やジャズの生歌、三味線と長唄、タップダンスやフラダンスなど、パフォーマンスのジャンルを問わない無料イベント『ショーケース』も毎日開催されている(ちなみにロビーに置かれている、ゲストが自由に弾くこともできるヴィンテージピアノも生沼氏が自ら見つけ出した、1963年製のとても貴重なもの)。

 

 ちなみに『ショーケース』は、“クールな音楽や芸術との出会いを通じて、新しい発見や閃きを創出したい。芸術・文化にもっと近い距離でふれて人々の心を豊かにしたい”という想いから、有名無名を問わずいかなるアーティストにも門戸が開かれているため、興味のある方はぜひチェックしてみてほしい(ホームページから簡単に出演申し込み可能)。

 

 

 

 

 ライブミュージックを楽しみながら、一緒に味わいたいのが、バー&ラウンジ「ウィスク」で提供されているミクソロジーカクテルとモクテル。他のホテルではお目にかかれないような、個性溢れる一杯が勢揃いしている。全18種のオリジナルカクテルは、誰もが知る名画がインスピレーション源となったもの。メニューが書かれている冊子自体にもこだわりが詰まっており、文字だけでなく、名画をカクテルで表現した斬新な写真たちで構成されている。

 

 ボッティチェリの『ヴィーナス誕生』やゴッホの『ひまわり』、ムンクの『叫び』や屏風画の『風神雷神図』など、誰もが「あ〜、知ってる!」となること間違いなしのラインナップは、頼む前から期待を高めてくれるだけでなく、プレゼンテーションやサーブ方法もサプライズに満ちている。

 

 

オリジナルミクソロジーカクテル(モクテル)『ヴィーナス』。

 

 

 

 カクテルタイムを楽しんだ後にお腹を満たすなら、フレンチレストラン「シェフズ・シアター」を利用したい。東京だからこそ集まる上質な食材を活かし、江戸前の粋と洗練されたテクニックを五感のすべてで味わえるフレンチ・ビストロノミーを堪能できる。“シェフの劇場”というレストラン名のとおり、まるでひとつの物語を楽しむように美食を堪能できるのが魅力だ。

 

 

 

レストラン「シェフズ・シアター」。

 

 

 

 

 オープンキッチンとなっている厨房から聞こえてくる料理が作り上げられるまでの音、漂ってくる鼻腔をくすぐるおいしい香りなども、コース料理のプロローグとして気分を高めてくれるだろう。

 

 メニューは、ランチ1コース、ディナー1コースがメインで、キッズメニューやアラカルトで注文することも可能。ペアリングも常時用意されており、アルコール、ノンアルコールともに個性溢れるラインナップだ(生沼氏自身、お酒が飲めないこともあり、多彩かつ美味しいノンアルコールドリンクが揃っていることも嬉しいポイント)。

 

 食後には全8種の紅茶やコーヒーを選べるが、トレーニングを受けたスタッフが目の前で丁寧に淹れてくれる猿田彦珈琲のスペシャルティコーヒーは格別。湯に触れたコーヒー豆から漂う豊かな香りとともに、食後の余韻に浸りたい。

 

 

 

チャプター2の客室。

 

 

 

 気になる客室にも数え切れないほどのこだわりが詰まっている。ホテルでの滞在が人生の一幕であるように、という思いからチャプター1からチャプター4まで4種類のカテゴリーがあり、40㎡から180㎡と広々とした客室は快適な滞在を約束してくれる。

 

 全客室に導入されているものとして珍しいのは、デジタルピアノやお抹茶セットだろう。久しく触れていないピアノでメロディを奏でたら、なにかまた新しいひらめきがあるかもしれない。後者については簡易的なものではあるが、抹茶、茶碗、茶せん、湯冷まし茶碗が揃っているため、心穏やかに茶を点てるのも粋である。

 

 

 一部の客室の入り口すぐのところにはフラッシュモードで撮影すると光る“だるま”の顔を模したユニークなクマの人形(ベアブリック)が飾られていたり、メズム東京が大航海時代を思わせるタッチで描かれたアメニティボックスにはTOKYO WAVESにこめられた想いが綴られていたり、BULK HOMMEがプロデュースしたオリジナルバスアメニティや、ボールペンではなく、コンセプトカラーであるミッドナイトブルー色の筆ペン、はたまた黒電話、着物の帯紐から着想を得たヘッドボードの装飾など、細部を見れば見るほど、メズム東京ならではのものばかり。ここでしか巡り合えない、圧倒的にユニークな世界観に魅了されていくだろう。

 

 

 

客室に用意されている黒電話。

 

 

ユニークなアメニティボックス。

 

朝にはゆっくりコーヒーを淹れて、テラスで過ごすのもおすすめ。

 

一部の客室についているテラス席はこれからの季節に最高。写真はチャプター4 スイート リュクス。

 

 

 

 2021年の4月には、25階にあるクラブラウンジが会員制のプライベートサロン「クラブメズム」に生まれ変わった。ラグジュアリーで落ち着いた和モダンな空間や開放的なテラスはそのままに、コンセプト「JAPAN FLOW」に基づいた上質な時間を約束してくれる。

 

 

和モダンな空間。

 

独創性溢れるペアリングの一例。

 

 

 ジャパニーズウィスキーをはじめ、国際的なアワードを多数受賞している国産クラフトビールや、和の情緒溢れる味わいのジャパニーズクラフトジン、八丈島や青ヶ島産の稀少な焼酎、日本酒、国産ワイン、スパークリングワインといった選りすぐりのジャパンメイドのアルコールに加えて、猿田彦珈琲のホテルオリジナルブレンド、8種類の高品質な日本茶などがドリンクとペアリングされた自家製スイーツやおつまみとともに存分に楽しめる。

 

 次なる休みはこのメズム東京で、自分の心に豊かさ、そして刺激をもたらし、知られざる東京の一面に触れてみてはいかがだろう。新たな文化、つぎなる豊かさに触れられるホテルは、こだわりの次元が幾分にも違う。

 

 

メズム東京、オートグラフ コレクション

東京都港区海岸1-10-30

TEL.03-5777-1111

EMAIL: info@mesm.jp

www.mesm.jp