LOOK OF THE WEEK:
THROUGH THE GRAPEVINE
ワイナリーを訪ねるときの装い
August 2020
南フランスに点在する中世の村々を旅し、洗練されたレストランやブドウ畑を訪れるのは、ワイン好きならずとも憧れるツアーだ。そこでの装いは、軽やかな生地のテーラード・アイテムを使った、スマート・カジュアルが最適な選択となるだろう。
by freddie anderson
ボルドーには、有名無名を問わず、数多くのワイナリーが存在している。ボルドーの洗練されたワインシーンと、世界のテーラーリング産業のベルト地帯には、大きな共通点がある。クラフツマンシップにすべてを捧げているという点だ。
この地域の多くのワイナリーは、何十年にもわたって口コミでの評判に支えられ、生きながらえてきた。私たちがこれからご紹介するテーラード・ブランドも同様だ。彼らはクオリティ、信頼性、そして本物であることを最優先に考えている。
その品質は、過去の世代から受け継がれてきた、確固たるプロセスを用いていることによる。確立された技術と高級素材を使用しているため、手入れをすれば、後世にも受け継いていくことが可能だ。
ある程度の年齢の方であれば、俳優のオーソン・ウェルズが言った、有名なテレビ・コマーシャルのキャッチフレーズを思い出すかもしれない。
「私たちは、その時が来るまでは、決してワインを売らない」
消費者がファストファッションに魅了されている時代にあって、このフレーズは、私たちがTHE RAKEのウェブサイトで紹介しているブランドの哲学に、ぴったりとあてはまる。
職人の勤勉さへのコミットメントは、完成までに何時間もかかることを意味する。衣類の各アイテムは、複数の職人の手を経て仕上げられる。
地中海地方の熱波の中でのワインツアーでは、暑さを考慮しつつも、スタイリッシュでスマートな装いが求められる。
中世の町サンテミリオンの郊外にあるシャトー・カノン・ラ・ガフリエールでは、緑豊かで牧歌的なブドウ畑を散策しながら、シャトーとその敷地の壮麗さを堪能することができる。往年の俳優エロール・フリンによく似たスティーブン・フォン・ニーペルグが経営している。彼のファミリーは1971年にこのシャトーを取得した。
ワインの試飲会に招待され、昼食を伴う場合は特に、テーラード・ジャケットが必須となる。リネンのような軽い布は、このようなオケージョンに最適だ。ワイナリーでは、奇抜な装いは求められていない。ナチュラルカラーの高品質なテーラード・アイテムで、シンプルに装うことが最善だ。これを実現するために、今回の“ルック・オブ・ザ・ウィーク”をご紹介しよう。
<L.B.M. 1911 リネン・ジャケット>
淡い色のリネン・ジャケットは、クリアでリラックスしたエレガンスを醸し出している。それこそが、L.B.M.1911が意図するところだ。
このイタリアのメンズブランドは、アンコンストラクテッドなテーラーリングを得意としている。このジャケットは完全に裏地がないため、通気性が抜群だ。
ワインツアーでボルドーを訪れたり、中世の面影を残した旧市街を見学したり、週末におしゃれなボルドーのファミリーが集まるカップ・フェレでランチを楽しんだりするときにもってこい。夏のワードローブに入れておくと、実に便利でスタイリッシュだ。ベージュの色調は、合わせるトラウザーズの選択肢を広げてくれる。
BEIGE PATCH POCKET SINGLE BREASTED JACKET $ 480 |
<ルビナッチ マニー・トラウザーズ>
ルビナッチの有名なグルカ・スタイルのトラウザーズだ。ベージュからネイビーまでさまざまなバリエーションがあるが、このワイン・カラーは特に美しい。ベージュのジャケットと組み合わせて着用すると、カラー・コーディネイトは完璧だ。
イタリアのジャケットの多くは着丈がやや短めにカットされていることを考えると、グルカ・ストラップを備えたハイウエスト・トラウザーズとは、素晴らしい相性だといえる。
$ 380 |
<マグナス&ノバス レジャー・シャツ>
香港を拠点とするマグナス&ノバスは、プレタポルテのアイテムにオーダーメイドの伝統を取り入れている。このホワイトのオックスフォード・コットンの“レジャー”シャツも、リラックスしていながらも洗練されたデザインが特徴だ。
生地には、スイスのアルモ製の最高級コットンポプリンが使われている。ブランドの特徴であるホールカットの襟は、トップボタンを外した状態で着用すると、美しいボリューム感を描き出す。イタリアのアンコン・ジャケットが持つナチュラルな肩周りとは、絶好の相性だ。
WHITE OXFORD COTTON ‘BUSINESS-CASUAL LEISURE’ SHIRT $ 320 |