KINDRED SPIRIT
Karl-Friedrich Scheufele - Interview

辣腕経営者の精神

Tuesday, May 19th, 2020

 

 芸術的な分野で働きたいという思いはずっと自覚していました。そこで気づいたのが、時計作りはそんな思いのひとつの表現になり得るということです。デザイン、クラフツマンシップ、マーケティングの面で自分も参加できるのではないかと。私は幸運でした。これらすべてに携われる職種は他にないでしょうから。

 

 父は、私がこの道へ進むよう、さり気なく仕向けてくれました。ああしろ、こうしろとは言いませんでした。父と行動をともにし、お客様に会いに行き、世界を見るようになると、私はこの道が興味深いことに気づいたのです。そして入社して間もなく責任ある仕事を任され、自身のアイデアを出せるようになったのです。

 

 

ロンドンのニューボンドストリートブティックのオープン記念に特別に制作されたモデル、「L.U.C XPS 1860 オフィサーロイヤル アームズ オブ イングランド」。イギリス国内のみのリミテッドエディション。8本限定。自動巻き、18KWGケース、40mm。Chopardショパール ジャパン プレス Tel.03-5524-8922

 

 

 

 若かった私は、ショパールにはスポーツウォッチが必要だと確信しました。ステンレススチールは貴金属ではありませんが、その特色のおかげでコレクション性の高い金属になり得ると感じていたのです。スチール製のスポーツウォッチを持つのは粋だと思っていましたしね。エシカルゴールドに関する当社の取り組みは、生産サイクル全体に関係するものです。

 

 当社は現在、100%エシカルゴールドを使用しており、その一環として、さらにグレードの高いエシカルゴールドである「フェアマインド認証ゴールド」を使用しています。当初の課題は社内のゴールドの線引きを保つことでした。保有していたフェアマインド認証ゴールドは少量で、従来型のゴールドと混ぜたくなかったのです。もうひとつの課題は、とにかく十分な調達が行われるよう図ることでした。複雑ではありましたが、困難を乗り切らなければ次の段階へは進めません。調達量を増やせるよう、さまざまな活動を通じて、取引のある大手供給業者にもこの考えを広めることを目指しました。

 

 成功したグローバル企業は、サステナビリティや地球環境保護の面で有意義な活動をすることが極めて重要となります。どんな個人や企業も、できることは何でもすべきであり、それが責任です。私たちはこうした取り組みについて、株主に伺いを立てる必要がありません。誰かに自分たちの考えの正当性を立証する必要もありません。

 

 時計に世話の焼くことのできる愛好家は、その時計と深い絆を築くことができます。手巻き時計は毎日巻く必要がありますが、私はこれを決して面倒だとは思いません。巻くのを心待ちにするほど、実に素敵な慣習的行為だと思っています。時計との関係が深まりますからね。私が時計にエネルギーを与えれば、時計はお返しに力を貸してくれるのです。それは、肌身離さず持っているものとの親密な関係であり、非常にロマンチックなことだと思います。

 

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